4. 後期高齢者世帯の貯蓄額は平均でいくら?

では、後期高齢者世帯の貯蓄額は平均でどれほどなのでしょうか。

厚生労働省が2023年12月に公表した資料によると、高齢者(世帯主75歳以上世帯)の貯蓄の状況は次のとおりです。

高齢者(世帯主75歳以上世帯)の貯蓄の状況

高齢者(世帯主75歳以上世帯)の貯蓄の状況

出所:厚生労働省「給付と負担について(参考資料)」

2022年における平均貯蓄額は1508万円であり、貯蓄なし世帯は11.8%、貯蓄なしまたは100万円未満世帯は17.8%でした。「貯蓄なしまたは貯蓄額100万円未満」の割合は2013年まで増加していましたが、その後減少傾向にあります。

3000万円以上保有する世帯割合が多いようです。

5. まとめにかえて

本記事では、原則75歳以上の方が加入する後期高齢者医療制度の保険料が上昇傾向にある背景を解説しました。

主な要因は、後期高齢者負担率の見直し、出産育児一時金を全世代で支え合う仕組みの導入、そして一人当たり医療給付費の伸びです。

保険料は均等割と所得割の合計で決まり、都道府県や所得によって異なります。2025年度の全国平均保険料は年額約8万6306円ですが、所得に応じた軽減制度も存在します。

老後の生活設計において、公的医療保険の仕組みと費用負担を正しく理解し、備えておくことが重要です。

参考資料

太田 彩子