朝晩の冷え込みが増す11月下旬、年末が少しずつ近づいてきました。私たちを支える社会保障制度の中でも、障害年金は障がいのある方の生活を経済的に支える重要な柱です。公的年金に加入し、一定の要件を満たせば、がんや糖尿病などの内部疾患の方も対象となる場合もあります。
さて、2025年は障害年金制度にとって大きな転換期となりました。過去の認定状況に関する調査報告を受け、日本年金機構が審査体制の抜本的な見直しと過去の不支給事案の再点検に踏み切ったからです。今回は、障害年金について今年どんな動きがあったのか「2025年の障害年金ニュース3選」をわかりやすく解説します。
1. 【障害年金ニュース①】年金と給付金「合計で年間約112万円もらえるのはどんな人?」
公的年金は物価や賃金の変動にあわせて、年金受給額を毎年見直ししています。令和7年度の障害年金の年金額についてみていきましょう。
1.1 障害基礎年金の年金は1級と2級のみ
令和7年4月からの「障害基礎年金」年金額
- 1級:年額103万9625円(一部は103万6625円)
- 2級:年額83万1700円(一部は82万9300円)
昭和31年4月2日以降に生まれたかどうかで金額に若干の差があります。また、子どもを扶養している場合は加算があり、2人まで各23万9300円、3人目以降は各7万9800円が年金に上乗せされます。等級や家族構成によって受給額が変動します。
1.2 障害厚生年金の年金は1級・2級・3級
障害厚生年金は、加入期間中の給与額に応じて決まる「報酬比例」の年金額が基本です。この報酬比例とは、加入期間と給与水準をもとに計算されるしくみです。
1.3 令和7年4月からの「障害厚生年金」年金額
- 1級:報酬比例の年金額×1.25+配偶者加給年金(23万9300円)
- 2級:報酬比例の年金額+配偶者加給年金(23万9300円)
- 3級:報酬比例の年金額のみ
(3級の最低保障額は62万3800円または62万2000円)
障がいの程度が3級に満たない場合でも一定の要件を満たせば一時金として「障害手当金」が支給されることもあります。


