高齢者「生活苦しい」の割合は？ 70歳代の夫婦世帯「平均貯蓄額・月の生活費・年金額」はいくら？

2025年11月に入り、今年も残りわずかとなりました。年末が近づくと、日々の暮らしに加え、何かと物入りになることを実感する方も多いのではないでしょうか。

特に物価高が続く現状では、高齢になってからの生活費について、漠然とした不安を感じている人もいるかもしれません。厚生労働省の調査によると、高齢者世帯の約半数以上が現在の生活に「苦しい」と感じているという厳しい実態が明らかになっています。

長寿化が進む現代において、老後の生活資金をどのように確保し、ゆとりある生活を送るための備えをするかは、多くの人にとって喫緊の課題です。

本記事では、70歳代の生活費の実態や、公的年金の平均受給額、そして平均的な貯蓄額について、最新の公的データをもとに詳しく解説します。高齢者の生活意識が厳しい現実と、具体的な家計収支の状況を知ることで、ご自身の将来に向けた資金計画を立てるヒントを見つけてください。

1. 高齢者の約半数が「生活が苦しい」と感じている実態

まずは、現代の高齢者がどのような生活意識を持っているのかを確認してみましょう。

厚生労働省が公表した「2024（令和6）年国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯の生活意識は次のような結果となっています。

高齢者の生活意識

「大変苦しい」と「やや苦しい」を合わせた割合は55.8％にのぼります。

高齢者世帯では、「普通」と答えた人よりも、生活が「苦しい」と感じている人の方が多い結果となりました。