将来に向けて「資産運用」を検討している方もいるでしょう。
通常、投資で得た利益に対して20.315%の税金がかかります。
しかし、新NISAを活用すると、投資で得た利益が非課税となるため、利益が出たときに新NISAを活用しない場合と比べ手取り額が多くなるメリットが得られます。
なお、新NISAのつみたて投資枠は、年間120万円まで非課税枠を利用できます。
この非課税枠をフルに活用すると、どのくらい利益が得られるのでしょうか。
今回は、毎月10万円ずつを15年間運用した場合に得られる利益をシミュレーションします。
1. NISAについておさらい
NISAは、2014年1月から開始した「少額投資非課税制度」のことをいい、売却益や配当金といった運用益が非課税になるという大きなメリットがあります。
通常、株式や投資信託で得た利益には20.315%(所得税・復興特別所得税:15.315%、住民税:5%)の税金がかかります。
しかし、NISA口座内で運用して得られた利益には税金がかかりません。
NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあります。
年間投資枠は、つみたて投資枠が120万円まで、成長投資枠は240万円までで、合計360万円まで可能です。
非課税保有期間はいずれも無制限で、非課税保有限度額はつみたて投資枠と成長投資枠を合わせて1800円まで(うち、成長投資枠は1200万円まで)です。
なお、つみたて投資枠と成長投資枠は併用できるため、投資スタイルに合わせて利用しやすいです。
2. つみたて投資枠をフル活用し15年間継続保有したらどうなる?
前章で確認した通り、つみたて投資枠は年間120万円まで非課税投資ができますが、非課税枠をフル活用して15年間保有した場合、どのくらいの利益が得られるのでしょうか。
年利3%と5%で運用した場合に得られる運用益について、金融庁の「つみたてシミュレーター」を利用して計算してみましょう。
2.1 年利3%で運用した場合
つみたて投資枠で、毎月10万円を15年間、年利3%で運用した場合のシミュレーション結果は以下の通りです。
※当シミュレーション結果は、将来の結果を予測し保証するものではありません。
- 積立元本:1800万円
- 運用益:462万円
- 合計:2262万円
毎月10万円ずつを15年間積み立てると元本は1800万円になり、運用益が462万円得られて、資産は合計2262万円となります。
2.2 年利5%で運用した場合
つみたて投資枠で、毎月10万円を15年間、年利5%で運用した場合のシミュレーション結果は以下の通りです。
※当シミュレーション結果は、将来の結果を予測し保証するものではありません。
- 積立元本:1800万円
- 運用益:848万円
- 合計:2648万円
年利5%で運用できると運用益は848万円となり、元本と合わせると資産は2648万円となります。
年利3%で運用した場合よりも、386万円多く資産形成できることになります。
2.3 年間投資枠を活用してさらに資産を増やすことも可能
金融庁では、つみたて投資枠を活用して形成した資産を活かして、さらに増やす方法を提案しています。
例えば、毎月10万円ずつを15年間つみたて投資枠で運用した資産を、さらに15年間、年利3%で継続保有した場合、投資元本の約2倍の資産を形成することが可能とされています。
投資元本1800万円を15年間、継続して保有しているだけで、元本と運用益の合計が約3525万円となり、投資元本の約2倍にまで増加する結果となっています。
積立て年数と保有年数を合わせて30年間必要ですが、シミュレーション結果から見ると、NISAは資産形成に有効な方法のひとつであることがわかるでしょう。
3. NISAは制度の拡充が検討されている
2025年8月に金融庁が発表した「令和8年(2025)年度 税制改正要望について」では、すべての世代が長期的かつ安定的にNISAに取り組めるよう、制度の拡充を図る必要があるとしています。
現在、若年層をはじめとして幅広い世代でNISAを利用している方が増えています。
今後、各世代に適したライフプランに沿った資産形成が可能になるよう、対象商品の拡充などが検討される見込みです。
具体的な要望は次の3点です。
- 子ども支援の一つとして、つみたて投資枠の対象年齢などを見直す
- 資産運用スタイルの多様性に対応するために対象商品を拡充する
- 非課税保有限度額を当年中復活させる
NISA制度の拡大により、より長期的かつ計画的な資産運用が可能になるでしょう。
4. まとめ
つみたてNISAは、まとまった資金がなくても、少額から取り組める資産運用方法です。
長期間積立運用することで、効果的に資産を増やせる可能性があります。
今回のシミュレーションでは、毎月10万円を積み立てるケースをご紹介しましたが、金額は自由に決められるため、家計を圧迫しないよう無理のない金額で検討することが大切です。
今後、制度の拡充が検討されており、個人の資産形成をより後押しする内容になることが期待されます。
制度改正のニュースをチェックし、ライフスタイルに適した形で取り入れてみるのも良いでしょう。




