昨年から約2倍に跳ねあがった米価に象徴されるように、日常品から不動産に至るまで、あらゆるモノの価格が上昇しています。
生活にかかる費用の上昇は、低所得層の暮らしに大きな影響を与えます。とくに、所得を増やすことが困難な年金生活者にとって物価高の影響は深刻です。
そこで今回の記事では、最近の物価の変動を確認しながら、現在のシニアが受け取っている厚生年金の平均月額についてもお伝えします。年金の平均額を知ることで、老後の生活設計に役立てていただければ幸いです。
1. モノの値段、どれくらい上がってる?
物価上昇が続き、日常生活にかかる費用は大きく膨らんでいます。とくに、自分で収入を増やすことが難しい年金生活者にとって、その影響は深刻です。
なかでも主食である「米」の値上がりは象徴的な例です。農林水産省のデータによると、2024年前半では5kgあたりの販売価格が2000円台でしたが、直近では4251円まで大きく上昇しています。
また、リフレッシュに欠かせないコーヒー豆やチョコレートの価格も、統計局の消費者物価指数によると、高い伸びが続いています。
前年同月比でコーヒー豆が64.1%、チョコレートは50.9%上昇しており、「ちょっとした楽しみ」までも家計を圧迫し始めているのが現状です。
このほかにも、賃料や土地や住宅の価格上昇による住まいの不安、昨今の円安基調による、さらなる物価高も懸念されています。
生活費の上昇は、低所得層の暮らしに大きな影響を与えます。手取りや年金が増えなければ支出は増える一方なので、ひとり親世帯や非正規雇用の世帯、仕送りに頼る学生、年金生活者まで、生活に不安を抱える方がじわじわ広がる可能性があるでしょう。
では、こうした物価上昇の中、シニアは実際にいくら年金を受け取れているのでしょうか。次章では厚生年金の平均月額を見ていきます。

