10月21日、高市早苗氏が第104代首相に就任しました。就任会見で高市首相は、以前から検討していた「給付付き税額控除」について、「私のこだわり」と強調し、早期に制度設計を進める考えを示しました。ただし、導入には準備期間が必要とも述べ、実現に向けて着実に取り組む姿勢を見せています。
11月に入り、年末に向けて家計や税金の見直しを考える人が増える時期です。そんな中、減税と現金給付を組み合わせたこの制度は、低所得世帯や非課税世帯への支援策として注目を集めています。
では、「給付付き税額控除」とはどんな仕組みなのか。誰が対象で、どんなメリットがあるのか。この記事では、その概要とポイントをわかりやすく解説します。
1. 高市氏が言う「社会保険料の逆進性」とは何か?
社会保険料(年金や健康保険など)は、一見すると所得に応じて負担が決まるように思われますが、実際には低所得者ほど負担割合が高くなる傾向があります。
このような性質を「逆進性(ぎゃくしんせい)」と呼びます。
1.1 「年収200万円と年収1000万円」の場合のケース例を見る
- 年収200万円の人が社会保険料を30万円払う→所得の15%
- 年収1000万円の人が社会保険料を150万円払う→所得の15%
表面上は同じ負担割合に見えても、低所得者は可処分所得が限られるため、この15%の社会保険料負担が家計に与える影響は大きくなります。
さらに、保険料には上限が設けられているため、高所得者は一定以上の所得には保険料がかからず、結果として負担率が低下します。
そのため、低所得者ほど相対的に負担が重くなる仕組みになっているのです。