12月は一年の締めくくり。新しい年を迎える前に、暮らしに関わる制度をもう一度確認しておくと安心です。
特に年金で生活している方にとって、毎月の収入を少しでも安定させるための仕組みを知っておくことは大切です。
最近は物価の上昇や医療費の負担など、家計を取り巻く環境が変わってきています。そんな中、国が用意している支援策を上手に活用することが、安心した暮らしにつながります。
そのひとつが「年金生活者支援給付金」です。この制度は、年金を受け取っている方のうち、一定の所得要件を満たす方に給付金を支給する仕組みで、生活を支える心強い制度です。
給付額や支給要件をきちんと理解しておけば、受け取れるはずの給付を見逃さずに済みます。今回は、年金生活者支援給付金について、給付額や支給要件をわかりやすく解説します。
1. 年金とは別でプラスでもらえる!「年金生活者支援給付金」の給付額はいくら?
年金生活者支援給付金は、年金収入やその他の所得が一定基準を下回る年金受給者を対象に、2019年から始まった支援制度です。
給付は公的年金とは別枠で行われ、2カ月に一度、年金に上乗せする形で支給されます。
受け取っている年金の種類に応じて、対象となる給付金は以下の3種類に分かれており、それぞれに支給要件と基準額が設けられています。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
1.1 【2025年度】年金生活者支援給付金の給付基準額
2025年度の年金生活者支援給付金は、前年度と比べて2.7%の引き上げが行われました。
- 老齢年金生活者支援給付基準額(月額):5450円
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円
老齢年金生活者支援給付金については、定められた基準額をもとに、保険料の納付済期間などを踏まえて実際の支給額が算出されます。
金額は「月額」で示されており、実際の支給日は2カ月分がまとめて年金に上乗せされる形です。
仮に基準額どおりに支給された場合、1回の支給で約1万円、年間ではおよそ6万円を受け取れる計算になります。
また、厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2024年3月時点での平均給付月額(※)は、老齢年金生活者支援給付金が4014円、障害年金生活者支援給付金が5555円、遺族年金生活者支援給付金が5057円となっています。
※2024年3月において認定されている平均給付金額です。
