75歳を迎えると、すべての人が自動的に「後期高齢者医療制度」へ加入します。

この制度は、増え続ける高齢者の医療費を公平に分担し、制度を持続的に運営していくための仕組みとして設けられています。

本記事では、後期高齢者医療制度の基本的な仕組みや自己負担割合の判定基準について詳しく解説します。

特に、2025年10月からは医療費2割負担者への経過措置が終了しており、一部の方は医療費の自己負担が増える場合があります。

最新の制度内容を確認し、老後の医療費負担を見据えた家計設計に役立てましょう。

1. そもそも「後期高齢者医療制度」とは?

「後期高齢者医療制度」は、2008年に創設された、75歳以上の高齢者を対象とした公的医療保険制度です。

制度が導入される以前は、高齢者も国民健康保険や被用者保険(協会けんぽ・健康保険組合など)に加入していました。

しかし、人口の高齢化が進むなかで、医療費の急増と財政負担の不均衡が深刻化。現役世代と高齢者の間で公平な負担を保ちながら、制度を安定的に運営することが難しくなっていました。

こうした課題を解決するために、高齢者専用の独立した医療制度として新たに設けられたのが「後期高齢者医療制度」です。

日本に住民票がある方は、75歳の誕生日を迎えると自動的に後期高齢者医療制度へ移行します。

個別の申請手続きは不要で、お住まいの市区町村から「後期高齢者医療被保険者証(保険証)」が郵送で届きます。

また、65歳以上で一定の障害がある場合には、本人の申請によって75歳未満でも加入できる特例(障害認定による特例加入)も設けられています。