2. 厚生年金+基礎年金「月額15万円」天引き額はいくら?

東京都新宿区在住の、月額15万円の年金を受け取っている人を例に、天引き額と手取り年金額を見てみましょう。

年金月額15万円の手取り額シミュレーション

年金月額15万円の手取り額シミュレーション

出所:新宿区「住民税について」新宿区「保険料の計算方法について」新宿区「介護保険料の決まり方」をもとに筆者作成

  • 所得税:1万1000円
  • 住民税:3万2000円
  • 国民健康保険料:9万2180円
  • 介護保険料:8万7120円
  • 差し引かれるお金の合計(年額):22万2300円
  • 差し引かれるお金の合計(月額):1万8525円
  • 手取り(年額):157万7700円
  • 手取り(月額):13万1475円

年間の天引き額は税金が4万3000円、社会保険料が17万9300円と差が開いています。社会保険料の負担が老後生活においても重いものであることがわかるでしょう。

とくに注視すべきは「均等割」です。住民税の均等割は一律5000円ですが、新宿区の国民健康保険料の均等割は、医療分が4万7300円、支援金分が1万6800円と住民税に比べて大きな金額です。その分負担が増えやすく、天引き額の差が開いています。

そして、月額あたり約2万円が差し引かれ、実際に受け取れる年金月額は約13万円です。年金は2ヵ月分が偶数月に支給されるため、実際に受け取れるのは2ヵ月分の年金30万円のうち、約26万円となります。年金月額15万円の人は、約26万円で2ヵ月分の生活支出を賄っていかなければならないのです。

次章では、手取り額の地域差について解説します。