5. 12月の年金支給時に「改正後の金額と改正前の金額の差額」が還付へ
老齢年金からは、所得税や介護保険料などの各種税金や保険料が差し引かれます(※)。
このうち、所得税の基礎控除額が「令和7年度税制改正」で改定されました。
5.1 令和7年分の所得税の源泉徴収と還付イメージ
そのため2025年10月の年金支給時までは「改正前の所得税額」で源泉徴収をおこない、2025年12月の年金支給時に、「改正後の金額と改正前の金額の差額」が還付されることになっています。
※年金からの天引きとはならないケースもあります。
6. 年金見込み額の確認から始めてみよう
今回は年金の平均受給額について確認してきました。
年金がいくら受け取れるのか確認したことがないという方は、「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認ができますので、早めに見ておくといいでしょう。
自分自身の受給見込み額を確認した上で、年金だけで生活していくのは難しいだろうと感じる方も多いはずです。
公的年金は老後の収入の柱ですが、平均額や自分の見込み額を見て「これだけでは足りない」と思ったら、早めに対策を考えることが重要です。
退職金や企業年金、個人年金、さらには資産運用や副収入など、複数の収入源を組み合わせることで、安心できる生活設計が可能になります。年末は、来年に向けて家計や資産を見直す絶好のタイミングです。
まずは「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で自分の数字を確認し、将来に備えた準備を始めましょう。
参考資料
- 日本年金機構「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
矢武 ひかる
