4. まとめにかえて
国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」が示すように、50歳代男性は55〜59歳で平均年収735万円と、全年齢層で唯一700万円を超えるキャリアのピークを迎えています。その一方で、転職サービス「doda」のデータでは、50歳代の平均年収が前年比でダウンしていました。
この高年収層を含む50歳代は、子どもの教育費(特に大学費用)や住宅ローンの返済など、家計を大きく圧迫するコアな支出に追われている世帯も多く、平均年収の高さが必ずしもそのまま貯蓄に結びついていません。
さらに、J-FLECの調査からは、50代の貯蓄額が、単身世帯の中央値30万円などと低く、「貯蓄の二極化」が顕著であることがわかります。
老後の生活満足度を維持するためには、平均年収の高さに安心するのではなく、「生活費の見直し」「先取り貯蓄」「資産運用」といった具体的な行動を通じて、主体的に資産形成を進めていくことが大切となるでしょう。
またdodaの調査結果レポートでは、自身の市場価値を知るためのキャリアの棚卸しや、中長期的に年収を高める視点を持つことの大切さが指摘されています。
この年末は、「お金の未来」を具体的にイメージする絶好のタイミングです。あなたの次のキャリアと資産づくりへの一歩を、少し考えてみませんか?
参考資料
- 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」
- パーソルキャリア株式会社 転職サービス「doda」、「平均年収ランキング2025」を発表 正社員の平均年収は429万円で、2022年以降3年連続で上昇
マネー編集部年収班