住民税が免除される「住民税非課税世帯」。実は税金が免除されるだけでなく、医療費や介護費の大幅な軽減、教育費の援助、さらには給付金の対象にもなることをご存じでしょうか。

2024年度には住民税非課税世帯等を対象にした3万円の給付金が実施され、今後も支援が実施される可能性があります。しかし、自分の世帯が該当するかどうか、具体的な年収基準や受けられる支援内容を正確に把握している人は意外と少ないものです。

知らないと損をする支援制度について、詳しく見ていきましょう。

1. 住民税非課税世帯とは

住民税は「所得割」と「均等割」に分かれています。所得割は前年の所得額に応じて課税される部分で、所得が多いほど税額が高くなります(税率は一律10%)。

均等割は、所得の多寡にかかわらず一律の金額を課す部分です。居住地により金額は異なるものの、すべての納税者に一定額を課す「均等負担」の特徴があります。

住民税非課税世帯とは、世帯の全員が住民税の「所得割」と「均等割」の両方において非課税となる世帯です。

「所得割」と「均等割」1/2

「所得割」と「均等割」

出所:総務省「個人住民税」

なお、住民税が非課税になる要件は以下のとおりです。

  1. 生活保護を受けている
  2. 障害者、未成年者、寡婦、ひとり親で、前年の所得が135万円以下である
  3. 前年の所得が各市町村の基準を下回る

1と2の要件は全ての市区町村で共通となっています。

住民税非課税世帯に該当するかどうかは、前年の所得で判定します。自治体側で課税対象世帯か非課税世帯かを決定し、その結果が翌年6月頃に通知されます。

2. 住民税が非課税になる基準は自治体の「級地」で決まる

住民税非課税世帯の年収の目安は、世帯構成や住んでいる地域の「級地区分」によって異なります。級地区分とは、住民税の非課税判定や均等割の適用有無を決めるための地域区分です。

東京都23区や指定都市など1級地寄りの地域は、住民税非課税世帯に該当するボーダーが高く設定されています。一方で、3級地寄りの地域では低めです。

  • 1級地:東京23区や指定都市など
  • 2級地:県庁所在市など一部の市町村
  • 3級地:一般的な市町村

具体的に、住民税の所得割・均等割ともに非課税となる収入の目安は以下のとおりです。

住民税の所得割・均等割ともに非課税となる収入の目安2/2

住民税の所得割・均等割ともに非課税となる収入の目安

出所:各種資料をもとに筆者作成

住民税の非課税判定は、年収だけでなく所得控除や扶養親族の有無なども影響します。

住民税非課税世帯に該当するかどうかを正確に把握したい場合は、お住まいの自治体で相談するのが確実です。

3. 住民税非課税世帯が受けられる支援

住民税非課税世帯は、税金が免除されるだけでなく医療・介護、教育、子育て、住宅など幅広い分野で行政サービスの優遇を受けられます。

主なサービスとして、医療面では国民健康保険料が最大7割軽減され、高額療養費の自己負担上限額も低く設定されます。介護保険料の減免や施設利用時の食費・居住費の軽減も受けられるため、自己負担を軽減することが可能です。

教育面では、小中学校の給食費や学用品費の就学援助などが利用できます。支援内容は自治体ごとに差があるため、お住まいの自治体で確認してみてください。

その他にも、臨時特別給付金の対象となるほか、自治体独自の水道料金減免や予防接種無料化などの支援もあります。

実際に、2024年度には住民税非課税世帯等に対して3万円の現金給付が行われました。

今後も、住民税非課税世帯に対して給付金が支給される可能性があります。

住民税非課税世帯向けの支援は、政府が行うものと自治体が行うものに大別できます。

特に自治体が行う支援策は見落としてしまうことが多いため、住民税非課税世帯に該当する方は、能動的に情報収集をしてみてください。

4. まとめにかえて

住民税非課税世帯とは、世帯全員が所得割・均等割ともに非課税となる世帯を指します。判定基準には、扶養親族の有無・所得控除の状況・前年の合計所得金額などが関わり、自治体ごとに異なります。

該当すると国民健康保険料の最大7割軽減や高額療養費の上限引き下げや介護保険料の減免、給食費などの就学援助、さらには臨時給付金の対象となるなど、多岐にわたる支援を受けられる可能性があります。

特に自治体独自の支援は見落としがちなため、該当する方は積極的に情報収集することが重要です。

※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

参考資料

柴田 充輝