2. 実際に受け取れる年金額はどれくらい?

在職定時改定で受け取れる年金額は、老齢厚生年金1年分です。

厚生年金の受給額の計算は、以下のように行います。

  • 厚生年金の受給額:平均標準報酬額×5.481/1000×加入月数
    ※平均標準報酬額:各月の標準報酬月額(給与を特定の金額で区分したもの)と標準賞与額(税引前の賞与総額から1000円未満を切り捨てた)の総額を加入期間で割って得た額

65歳で老齢厚生年金を受給しながら厚生年金に加入している人で、平均標準報酬額が18万円だった場合を例に、在職定時改定により増える年金額を計算してみましょう。

  • 18万円×5.481/1000×12≒1万1839円
  • 1万1839円÷12≒987

よって、10月分の年金からは、月あたり987円、年間で1万1839円が増額されます。

もし70歳になるまで厚生年金に加入し続け、給与に変動がなければ、合計5万9195円が増額されるのです。増えた分は、退職後も生涯にわたって受給できます。

次章では、在職定時改定と混同しやすい「在職老齢年金」について解説します。