老後の収入に不安を感じ、年金を受給しながら働き続けているシニア世代も多いでしょう。老後も働き続ければ厚生年金に長く加入できるため、将来の年金受給額も増えます。

また、働くシニアは納めた保険料が年金に反映されるのも速くなっています。

これは「在職定時改定」という仕組みによるものです。在職定時改定により、保険料はどのように年金に反映されるのでしょうか。この記事では、在職定時改定の仕組みについて解説します。

1. 在職定時改定の仕組み

在職定時改定とは、厚生年金保険に加入する65歳以上の老齢厚生年金受給者が納めた保険料を、定期的に年金に反映させる仕組みです。対象となるのは、以下に当てはまる人です。

  • 65歳以上70歳未満
  • 基準日である9月1日時点で厚生年金保険の被保険者である

対象となった場合は、前年9月から当年8月までの厚生年金に加入していた期間を追加して年金額が再計算されます。65歳からは、働いて厚生年金保険に加入し保険料を納め続けていれば、翌年には年金が増額されるのです。

1.1 増額になるのは12月支給分から

在職定時改定の対象になり年金額が見直されるのは、10月分の年金からです。10月分の年金は、11月分とあわせて12月に支給されるため、実際に増えた金額を受け取り始めるのは、12月からとなります。

あくまで増額は10月分の年金からであり、10月に支給される年金からではないため、注意しましょう。10月に支給される年金は、8月・9月の2ヵ月分です。

次章では、実際に受け取れる年金額を計算してみましょう。