2. 不妊治療は身近な選択肢、「夫婦の約2.6組に1組が不妊を心配」

日本の出生数が減少の一途をたどる中で、その一方で、子どもを望む夫婦の多くが頼る存在となっているのが不妊治療です。現在、夫婦の約4.4組に1組にあたる22.7%が、実際に不妊の検査や治療を受けた経験がある(または現在受けている)という事実をご存知でしょうか。

また、不妊を「心配したことがある」夫婦は39.2%(約2.6組に1組)にのぼります。この割合は年々高まっており、不妊が特定の誰かの問題ではなく、非常に多くのカップルが直面している身近な課題であることということがわかります。

不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦の割合

不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦の割合

出所:厚生労働省「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック(令和7年3月)」

さらに、近年では不妊治療の技術が進化しています。2022年には、7万7206人の赤ちゃんが生殖補助医療により誕生しています。これは全出生児(77万759人)の約10.0%に当たり、約10人に1人の割合になります。

全出生児に占める生殖補助医療による出生児の割合

全出生児に占める生殖補助医療による出生児の割合

出所:厚生労働省「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック(令和7年3月)」

この割合は年々高まっており、子どもを授かることを諦めずに医療の力を借りる夫婦が増えていること、そしてその選択肢が大きく広がっていることを意味します。

このように、不妊治療は子どもを望む多くの夫婦にとって、今や特別なものではなく身近な選択肢となりつつあります。しかし、治療には時間や費用だけでなく、心身への負担も少なくありません。

次に、不妊治療の基本的な内容や、特に女性にかかる負担について詳しく見ていきましょう。