日中はまだ暑さが残るものの、朝晩の風に秋の訪れを感じる季節となりました。
さて、今月は2か月に一度の公的年金の支給月です。10月15日(水)には、8月分と9月分の年金が口座に振り込まれます。
高齢化が加速する中、「将来、年金はもらえないのではないか」と不安の声は高まる一方です。
老後の年金額は働き方や暮らし方により個々で異なります。特に、厚生年金に加入している方は、加入期間や給与水準によって年金額が細かく変動するため、「いったい自分はいくらもらえるのか」をイメージしにくいのではないでしょうか。
そこで本記事では、大学卒業後、22歳~60歳まで「平均年収600万円」で働いた場合の厚生年金(国民年金も含む)の年金額がどれくらいになるかをシミュレーションしていきます。老後対策の参考にご覧ください。
1. 「厚生年金+国民年金」月いくら?22歳~60歳まで「平均年収600万円」で働いた場合
シミュレーションの結果、平均年収600万円・勤続年数38年の人が65歳から受け取る厚生年金は、国民年金を含め月額約18万5600円となりました。
1.1 厚生年金の受給額の計算式
報酬比例部分= A + B
A(2003年3月以前):平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
B(2003年4月以降):平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数
報酬比例部分(従前額)=( A + B )× 1.061
A(2003年3月以前):平均標準報酬月額×7.5/1000×2003年3月までの加入期間の月数
B(2003年4月以降):平均標準報酬額×5.769/1000×2003年4月以降の加入期間の月数
どちらかの式によって算出されます。また加入の時期によって計算式が異なるため、ここでは2003年4月以降に加入したとして試算します。
1.2 試算条件
- 年収600万円から平均標準報酬額は50万円とする
- 2003年4月以降に厚生年金に38年間加入した
- 国民年金は40年間未納なし
- 配偶者や扶養家族はいない
1.3 厚生年金額をシミュレーション
老齢厚生年金額=139万5600円
さらに老齢基礎年金(国民年金)の満額約83万1700円を足すと、合計で約222万7300円となります。
月額にすると約18万5600円です。
実際には38年間を通して年収600万円であるケースはまれですが、一つの目安となるでしょう。
※昭和21年4月1日以前に生まれた方については、給付乗率が異なります。
※年収÷12で仮の平均標準報酬月額を算出しています。実際には「平均標準報酬月額」「平均標準報酬額」を用いるため、厳密には年収と異なります。
※あくまでも概算のため、実際の受給額とは異なるケースがあります。
※老齢基礎年金は2025年度新規裁定者の基準額です。