物価上昇が続くなか、国は低所得世帯の生活を下支えするための支援策を強化しています。
2025年10月からは、生活保護のうち日常生活費を補う「生活扶助」の基準が引き上げられることになりました。
今回の見直しでは、特例加算が月1500円に増額され、全国の生活保護受給世帯のうち約6割が対象となる見込みです。
エネルギーや食料品の価格上昇が続く中での引き上げは、生活保護世帯の家計にどのような影響を与えるのでしょうか。
本記事では、生活保護制度の仕組みと生活扶助の内容、そして今回の改定の背景とポイントをわかりやすく解説します。
1. そもそも「生活保護」とは?
そもそも「生活保護」とは、病気や失業などさまざまな事情によって生活が困難になった人に対し、憲法25条に定められた「健康で文化的な最低限度の生活」を保障し、自立を支援する制度です。
生活保護は、以下の条件を満たした上で、世帯の収入が国の定める保護基準額(最低生活費)に満たない場合に利用できます。
- 能力の活用:働ける能力を最大限活用すること
- 資産の活用:預貯金や不動産など生活維持に使える資産を利用すること
- 他制度の活用:年金や各種手当など他の制度を先に利用すること