4. 「生活扶助の基準額」2025年10月から月額1500円が加算
厚生労働省は、2025年度から2年間、生活扶助基準の特例加算を現在の月1000円から1500円へ引き上げることを決定しました。
生活扶助の基準額は、一般の低所得世帯の消費実態に合わせるため、5年ごとに検証・見直しが行われています。
直近では2022年に検証が実施され、物価高騰を受けて2023年度と2024年度の2年間、月1000円を特例的に加算。基準額が下がる世帯については元の水準を維持する措置が取られました。
今回の改定は、2025年以降も続く物価上昇や世帯支出の増加を踏まえ、さらに月500円を上乗せし、合計1500円を加算するものです。
2027年以降については、改めて検討を行うとされており、経済状況によっては再び加算が行われる可能性があります。
5. まとめ
生活保護制度は、生活に困窮する人が「健康で文化的な最低限度の生活」を送れるよう支援するための、社会保障の最後のセーフティネットです。
その中心的役割を担う「生活扶助」は、物価や消費実態の変化に応じて定期的に見直されており、今回の改定もその一環といえます。
2025年10月から実施される月1500円の特例加算は、エネルギー費や食費の上昇を背景に、実際の生活実態に近づけるための暫定的な措置です。対象世帯は約6割にのぼり、多くの受給世帯にとって支援強化となります。
生活保護は社会全体で支え合う制度であり、持続的な社会保障を考えるうえでは、制度の意義や仕組みを正しく理解しておくこと重要です。
参考資料
加藤 聖人
