5. 国民年金・厚生年金、働きかたと加入期間がもらえる金額に影響
今回の記事では、厚生年金の平均月額14万6429円という全国平均の裏側に潜む、男女差、そして受け取る年金額の地域格差について解説しました。
最も平均が高い神奈川県と最も低い青森県では、その差が月額4万円以上にも及び、年間で50万円を超えるという事実は、決して無視できません。この格差は、厚生年金の計算の基礎となる「現役時代の報酬」と「加入期間」が、地域や働き方によって異なるために生じています。
そして、国民年金(基礎年金)の平均が5万円台後半であることからも、厚生年金の上乗せがない方、または少ない方にとっては、公的年金だけで老後の生活費をまかなうのは非常に困難です。
「うちの地域は平均が低いから仕方ない」と諦めるのではなく、この格差を「自分事」として捉えることが、豊かな老後への第一歩です。
公的年金は生活のベースですが、物価上昇が続く今、その不足分は自助努力で補うしかありません。ぜひ今日から、ご自身の受給見込み額を確認し、iDeCoやNISAといった制度を活用した計画的な資産形成を始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
橋本 優理