昨年12月に自民党・公明党・国民民主党の3党で合意していたガソリン暫定税率の廃止。昨年度末は廃止が見送られましたが、高市内閣のもと、2025年12月31日に廃止が決定しました。車を使う機会が多い地方の人々にとっては、朗報といえるでしょう。
しかし、ネガティブな話題もあがっています。減税による税収減を補うための「財源論」です。財源を確保する方法にはさまざまなものがあります。想定される方法のひとつが「金融所得課税」です。
この記事では、ガソリンの暫定税率廃止によるメリットと、財源論について解説します。
1. ガソリン暫定税率の仕組み
私たちが車に給油する際に支払うガソリン料金には、税金が含まれています。そのうちのひとつが、ガソリン税とも呼ばれる「揮発油税」です。
揮発油税は、以下の2つから成り立つ税金です。
- 本則税率:28.7円/1L
- 当分の間税率(暫定税率):25.1円/1L
- 合計:53.8円/1L
※いずれも地方揮発油税分を含む
今回廃止されるのは「当分の間税率」の部分です。これにより、ガソリン価格が実質25.1円下がることになります。
暫定税率については、ガソリン価格が高騰した際に一時的に課税を停止する「トリガー条項」の適用も議論されてきました。しかし、1974年に一時的な財源として導入したものの、結果的に50年ほど徴収し続けてきたという矛盾した経緯なども考慮されたのか、税率自体を廃止する結論に至ったのです。
次章では、ガソリン暫定税率の廃止が家計にもたらすメリットを解説します。