2025年12月、UAE(アラブ首長国連邦)アブダビで開かれるRMサザビーズ主催のオークションに、1990年式フェラーリ「F40」が出品される予定です。

実はこのF40、落札価格は5億円を超えると予想されています。

本記事では、RMサザビーズ主催のオークションに出品予定の1990年式フェラーリ「F40」について詳しく解説していきます。

2025年12月の海外オークションで出品される1990年式フェラーリ「F40」が話題

出所:Stephan Bauer(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's

1. 激レア⁉アラン・プロスト氏の直筆サイン入りの「F40」

「F40」は、フェラーリの創立40周年を記念して1987年に発表されたアニバーサリーモデルです。

1984年から1986年にかけて製造された「288GTO」がベースで、高性能エンジンと軽量化を追求した設計が特徴です。

F40は、フェラーリの創業者であるエンツォ・フェラーリが、生前最後に企画・承認したモデル。「エンツォ最後の傑作」と称されており、発売から35年以上経った今でも、世界中のコレクターから非常に価値が高い1台として注目されています。

しかも、今回アブダビで開かれるRMサザビーズ主催のオークションに出品予定のF40は、ただのF40ではありません。

実は初代オーナーは、4度のF1チャンピオンに輝き、優勝51回という記録を残したアラン・プロスト氏。直筆サインがルーフに書かれていることも超希少となっている理由です。

プロスト氏はもともとマクラーレンホンダに所属していましたが、1990年にフェラーリに移籍しました。

彼はエンツォ・フェラーリの死後、最初にスクーデリア・フェラーリと契約したドライバーであり、次期エースとしてプロスト氏に与えられたのがF40です。

彼の実績を考えると、当時、世界最速の公道走行車として開発されたF40に乗るのに、もっともふさわしかったドライバーだったと言えるでしょう。

しかし、プロスト氏に与えられた「シャシー番号83249」の車体は、1989年11月にスイス市場向けに用意されたもので、触媒コンバーターや調整式サスペンションが装備されていませんでした。

1990年2月にフランスのメリベルにあるプロスト氏の自宅で登録されていますが、彼は一度も乗らず、すぐに売却したことを認めています。