2. 複数のオーナーに渡りながらも状態は良好
プロスト氏のF40は、すでに数台のフェラーリを所有しており、当時フェラーリ・チャレンジ・シリーズに参戦していたグラハム・デ・ジルの手に渡っています。
デ・ジルへ納車される前にプロスト氏はルーフにサインを残しており、その後ルーフは厚いクリアコートで覆われ、今も確認可能です。
F40はその後も複数のオーナーの手に渡り、2016年にはフェラーリ・クラシケの認定を受け、シャシー、エンジン、ギアボックス、ボディワークが保持されていることが証明されています。
今回出品されるF40は、2017年にフェラーリ創立70周年を記念して開催されたフィオラノ・コンクールに出場しており、クラス2位を獲得しました。
さらにその後、フランスに渡ったF40は、2019年3月にフェラーリ・リヨンで燃料タンクを新品に交換。2028年9月まで有効とされています。
F40は、純粋に走りの興奮を味わいたい人にとっては、最高の車です。
ABSなどの電子制御システム、パワー・ステアリングやブレーキ・ブースターはなし。200 mph(320 km/h)以上の最高速度を実現した初めてのオンロード・モデルとして知られています。
1997年4月号の「モータースポーツ」誌では、フェラーリ50周年記念記事として特集されており、記事を執筆したアンドリュー・フランケル氏は、F40について以下のように語っています。
「エンツォ・フェラーリは常に、最高のフェラーリとは、まだ自分が作っていない車だと語っていた。だからこそ、彼が作った数々の素晴らしいロードカーの中でも、F40以上に素晴らしい車は存在しないと言えるだろう。それは彼が最後に見た車だったのだ。」