4. 「後期高齢者医療制度」の加入者が受けられる給付11選とは
ここまで、後期高齢者医療制度の仕組みや自己負担割合について確認してきました。
次に、東京都後期高齢者医療広域連合を例に、制度の加入者が受けられる主な給付内容について見ていきましょう。
4.1 給付①:療養の給付
病気やけがで医療機関を受診した際に、保険証を提示することで受けられる給付です。
このとき、医療費の自己負担は1割から3割に抑えられます。
4.2 給付②:療養費
保険証を持たずに受診した場合は、医療費の全額を自己負担することになりますが、その後、申請を行い認められた場合には、自己負担分を除いた金額が払い戻されます。
4.3 給付③:入院時食事療養費
入院時にかかる食事代については、患者が負担する「標準負担額」を超える分を公的医療保険が負担する仕組みになっています。
4.4 給付④:入院時生活療養費
療養病床へ入院した場合、食費や居住費のうち標準負担額を上回る分は、公的医療保険によって補われます。
なお、療養病床とは、長期的な療養や介護を必要とする方のために設けられた病床を指します。
4.5 給付⑤:移送費
移送費は、けがや病気などにより自力での移動が困難な場合に、医師の指示のもとやむを得ず移送された際に支給されるものです。
ただし、支給対象となるには緊急性や必要性が認められることが条件であり、救急車による搬送は無料のため対象外となります。
4.6 給付⑥:高額療養費
1か月あたりの医療費の自己負担額が定められた上限を超えた場合には、その超えた分が後から払い戻されます。
4.7 給付⑦:高額介護合算療養費
1年間(8月から翌年7月まで)に支払った医療費と、介護保険サービスの自己負担額を合算し、その合計額が基準額を超えた場合には、超過分が払い戻されます。
なお、払い戻しは後期高齢者医療制度と介護保険の双方からそれぞれ行われます。
4.8 給付⑧:保険外併用療養費
保険の対象外となる治療を受けた場合でも、通常の診療と共通する部分(検査・投薬・入院料など)については、公的医療保険の適用を受けることができます。
4.9 給付⑨:訪問看護療養費
主治医の指示に基づいて訪問看護を受けた場合は、かかった費用のうち自己負担分を除いた金額が支給されます。