5. 年金+αで“安心老後”を実現するために、いまできること
今回の記事では、高齢者の家計の状況や年金額について見てきました。
平均値にあてはまる世帯であれば、平均的な収入があっても、毎月赤字が発生することになり、赤字は貯蓄で補っていくことになります。
仮に赤字を2万5000円、貯蓄額が800万円(※中央値)の世帯なら、単純計算すると約26年で貯蓄は底をつくことになります。
また、今後も物価上昇が継続すれば、預貯金のみで資産を保有している場合、現金が減るスピードが早くなる可能性もあるでしょう。
高齢になって資産を増やすことは難しいので、資産の持ち方も含め、できるだけ早く老後対策を進めることをおすすめします。
老後は若い頃には予想もしていない事態が起こるものです。予想していたとしても、実際に自分の身に起こると、どのように対応してよいか戸惑う方も少なくありません。
5.1 【老後に発生しやすい問題】
- 体力や気力、認知機能の衰えによるQOLの低下
- 病気やケガの発生
- 介護
- 住まいの老朽化
- 資産の減少
- 相続 など
お金がすべてを解決するわけではありませんが、ある程度の資産があれば、ゆとりや余裕を感じやすくなります。
民間のサービスを利用するなど、高齢者となった自分が過ごしやすい生活や環境を目指すことが可能になります。
まずは、老後生活に必要な金額をシミュレーションして、無理をせず、できる範囲内で老後への備えを進めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
執筆者
AFP。一種外務員資格(証券外務員一種)保有。大学卒業後、外資系生命保険会社、都市銀行にてリテール営業、法人営業に携わる。とくに銀行では遺言信託業務に携わり、資産承継ビジネスにおいて全国表彰歴あり。金融機関勤務後は長年の経験を活かし、金融ウェブメディアに転職。現在はマネーシュミレーションに特化したサービスを提供し、個人のマネー相談を中心に活動中。定期的にウェブメディアへの寄稿、記事の監修もおこなっている。生命保険会社と銀行、両業界での経験が強み。得意分野はライフプランニング(ライフシミュレーション)、投信分析。趣味はガーデニング。
監修者
マネー編集部社会保障班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに社会保障制度や社会福祉、公的扶助、保険医療などをテーマに関する記事を執筆・編集・公開している。
マネー編集部社会保障班は、地方自治体職員出身の太田彩子、日本生命保険相互会社出身の村岸理美、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子など、豊富な経験と知識を有した編集者で構成されている。表彰歴多数の編集者も複数在籍。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務や、国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担った実務経験者も在籍している。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2025年8月26日)