夏から秋にかけ、過ごしやすい季節になると害虫の数も増えてきます。家の中にゴキブリが出ることも多くなり、その他にもハチやシロアリなど、さまざまな害虫に悩まされている人がいるのではないでしょうか?

そんな時に、頼りになるのが害虫駆除を担当する業者です。

現在、「害虫駆除」と検索すると、近所にあるさまざまな業者のホームページが表示されます。大手から地元の企業まで害虫駆除の業者は多数あり、中には格安料金を売りにしているケースも…。

そういった格安業者にお願いして、次々と作業を追加され最終的に高額請求されるトラブルが起きています。

そこで、この記事では独立行政法人国民生活センターに寄せられた、トラブルの相談事例を紹介。実際にあったトラブルを見て、同じ様な手口の業者にだまされないように勉強しましょう。

また記事中では、消費者庁による令和7年版「消費者白書」より、最新の「消費者被害の推計額」についてもご紹介します。

※投稿の画像は【写真】をご参照ください。
※今回ご紹介する内容は、独立行政法人国民生活センターの掲載許可を頂いております。

1. 【害虫駆除トラブル】格安表示の業者に依頼したら高額作業料金を請求されたケース

まず紹介するのは、20代の女性が相談した事例です。

賃貸アパートに住んでいる女性は、寝室でゴキブリがベッドに飛んできたことで業者に電話。明け方だったこともあり、大家に連絡せずスマートフォンで「ゴキブリ駆除」「業者」と検索して「約500円~」と書いてあった業者に連絡したそうです。

電話をした業者からは、30分で訪問可能と言われ詳しい作業内容や料金の説明はなし。作業員が1人訪問し、室内を点検した後に隙間箇所やエアコンにスプレーを噴射するなど作業を行いました。

作業員からは、「フンや卵があった」と言われ、女性は実際に卵2個を見せてもらうことに。しかし、実際に部屋の中で見つけた瞬間は目撃してないとのことです。

「室内全体の燻蒸作業が必要」などと言われた女性は、約20万円の請求をされ作業完了後にその場で半額のみを支払い。残金は銀行振込することになったのですが、高額だと感じクーリング・オフしたいと相談を寄せました。

国民生活センターからのアドバイスとしては、極端に安い価格を表示する広告には注意が必要だとしています。数百円など極端な料金で依頼できることはまずなく、サイトに提示されている広告は疑うべきです。

また、今回の場合は明け方に起きた事例ですが、緊急に駆除する必要があるか、冷静になって考えることをおすすめしています。賃貸住宅なら、事業者へ依頼する前に管理会社や大家などに相談することも大切です。

クーリング・オフについては、「事前の提示額と実際の請求額が大きく異なる場合」「作業後に新たに別の契約を勧誘され締結した場合」などは、特定商取引法の訪問販売によるクーリング・オフが適用できる可能性があるとしています。