3. 高額療養費制度で医療費負担を軽減できる
高額療養費制度の概要や「限度額適用認定証」について解説していきます。
3.1 高額療養費制度とは
高額療養費制度とは、1ヵ月に医療機関や薬局の窓口で支払った金額が上限額を超えた場合に、超えた金額が還付される制度です。
ただし、入院時の食費負担や差額ベッド代など、対象外になる費用もあります。
上限額は年齢や所得に応じて異なり、70歳以上の方で所得が「一般」に該当する方の場合、1ヵ月の上限額は5万7600円で、そのうち外来の負担上限額は1万8000円です。
なお、複数の医療機関で受診した場合、1ヵ所での自己負担が上限額を超えないときは、同一月のほかの医療機関などでの自己負担額を合計できます。
3.2 「限度額適用認定証」の準備が不要に
高額療養費制度を利用すると、上限額を超えた分が後から還付されますが、その場で一度支払う必要があるため、一時的な支払いが負担になることがあります。
そこで、「限度額適用認定証」を準備すると、1か月の支払いが最初から自己負担限度額までに抑えられます。
医療機関などの窓口での支払いが高額になることが分かっている場合などに便利な方法です。
しかしこれからは、マイナ保険証を利用すると、「限度額適用認定証」を準備しなくても限度額を超える支払いが免除されるようになっています。
ただし、オンライン資格確認を導入していない医療機関などで受診する場合は、限度額適用認定証の提出が必要です。
「限度額適用認定証」の新規発行は廃止されましたが、マイナ保険証を利用しない場合は、限度区分の欄に区分が記載された「資格確認書」で、これまで通りの上限額が適用されます。
4. まとめにかえて
後期高齢者医療制度で窓口負担割合が2割となる方を対象に取られていた配慮措置が、9月末で終了しました。
対象となる方は10月から医療費負担が増加することになるため、生活費の見直しが必要になるでしょう。
高額な医療費がかかるときは、高額療養費制度で限度額を超えた分が還付されます。
制度を活用することで医療費負担を軽減し、安心して医療機関を受診できるようにしましょう。
参考資料
木内 菜穂子