秋の訪れとともに、家計の見直しや将来の暮らしについて考える機会も増えてくるのではないでしょうか。

J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査 2024」によれば、60歳代の単身世帯では約3割が「貯蓄ゼロ」と回答しており、老後資金への不安が現実味を帯びています。

※貯蓄額には、日常的な出し入れおよび引き落としに備えている普通預金残高は含まれません。

60歳代・単身世帯の金融資産保有額(金融資産非保有世帯含む)

60歳代・単身世帯の金融資産保有額(金融資産非保有世帯含む)

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにLIMO編集部作成

こうした中でシニアの生活の柱となるのが公的年金ですが、その仕組みや平均受給額は意外と理解されていないものです。

さらに、年金は男女差や加入歴などによって金額に大きな個人差があり、「自分はいくら受け取れるのか」を把握しておくことが重要です。

本記事では、公的年金の基本から平均受給額の実態までをわかりやすく整理し、これからの生活設計に役立つ情報をお届けします。

1. 【2025年度】公的年金は前年度比「+1.9%」増えている

公的年金の受給額は、物価や賃金の動きを踏まえて毎年調整されます。

2025年度については、前年度より1.9%増額されることになりました。

2025年度の年金額の例(厚生労働省公表)

令和7年度の年金額の例

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」

1.1 2025年度の「国民年金と厚生年金」の年金額例はいくらになった?

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額))(※1):6万9308円
  • 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)(※2)

※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※2 厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

1.2 年金支給日カレンダー

また、公的年金の振込日は「偶数月の15日」と定められており、15日が土日と重なる場合は直前の平日に繰り上げて支給されます。

対象となるのは前月分までの2カ月分です。

なお、2025年の年金支給日カレンダーは以下のとおりです。

【一覧表】2025年 年金支給日カレンダー

【一覧表】2025年の年金支給日カレンダー

出所:日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」などをもとにLIMO編集部作成