4. 退職金とiDeCoの受け取り方法!「一時金」と「年金」を上手く使って賢く受け取ろう

勤務先に退職金制度がある方やiDeCoで運用している資金がある方は、これらのお金を老後資金に充てられます。

資金ニーズに応じて適した受取方法は異なるため、事前に考えておくとよいでしょう。

4.1 一時金方式

退職時に全額をまとめて受け取る方法です。退職所得控除が適用され、勤続年数に応じて大きな控除額を受けられるため、税制上のメリットが大きくなります。

税制優遇が最大限活用でき、まとまった資金を自由に運用・使用できる点は、一時金方式のメリットです。住宅ローンの繰上返済や新たな投資に充てることも可能で、資金の流動性が高い点が特徴です。

ただし、一度に大金を手にするため、計画的な管理が必要です。また、年金方式と比較して長期的な安定収入は得られません。

まとまった資金需要がある人や投資経験が豊富で自己運用を希望する人、税制メリットを最大化したい高所得者にとって、一時金方式は適しているでしょう。

4.2 年金方式

5年や20年など、一定の期間にわたって分割受給する方法です。公的年金とあわせて雑所得として課税され、公的年金等控除の適用を受けられます。

長期にわたって安定した収入を確保できるため、老後の生活設計が立てやすく、計画的な家計管理がしやすい点も魅力です。運用しながら受け取る場合は、一時金方式よりも受給総額が多くなる可能性があります。

ただし、一時金方式よりも税金や社会保険料負担が重くなりやすい点には注意が必要です。

安定した収入を長期間確保したい人や計画的な資産取り崩しを望む人にとって、向いている受取方法です。

4.3 一時金と年金の併用方式

一部を一時金で、残りを年金で受け取る方法です。両方の税制優遇制度を組み合わせて活用できるため、税負担の分散を図れます

当面の資金需要には一時金で対応し、長期的な生活費は年金で確保するなど、ライフステージに応じた柔軟な資金活用が可能です。税制面でも両制度の恩恵を受けられ、リスク分散効果も期待できます。

ただし、手続きが複雑になり、それぞれの受給時期や金額配分の判断が難しくなる可能性があります。

当面の資金需要と長期的な生活保障の両方を重視する人、柔軟な老後設計を求める人にとって、向いている方法といえます。