3. 年金から税金や社会保険料が差し引かれる要件

では、年金から税金や社会保険料が差し引かれる要件を確かめてみましょう。

年金からは、さまざまな税金・社会保険料が差し引かれます。それぞれの要件は以下のとおりです。

所得税

  • 65歳未満:年間の年金受給額が108万超
  • 65歳以上:年間の年金受給額が158万超

住民税

  • 以下の条件をすべて満たす場合
    ・65歳以上
    ・老齢もしくは退職を理由に年金を受給
    ・年間の年金受給額が18万円以上

国民健康保険料

  • 以下の条件をすべて満たす場合
    ・後期高齢者医療制度の該当者を除く65歳以上75歳未満
    ・老齢・退職・障害・死亡を理由に年金を受給
    ・年間の年金受給額が18万円以上

後期高齢者医療保険料

  • 以下の条件をすべて満たす場合
    ・75歳以上か後期高齢者医療制度の該当者
    ・老齢・退職・障害・死亡を理由に年金を受給
    ・年間の年金受給額が18万円以上

介護保険料

  • 以下の条件をすべて満たす場合
    ・65歳以上
    ・老齢・退職・障害・死亡を理由に年金を受給
    ・年間の年金受給額が18万円以上

※国民健康保険料および後期高齢者医療保険料は、介護保険料との合計額が特別徴収対象年金額の2分の1を超える場合は、天引きされない。

住民税は、65歳で老齢年金を受け取っており、年間の年金受給額が18万円以上ある場合に年金から天引きされます。

社会保険料は、65歳で老齢年金・障害年金・遺族年金のいずれかを受け取っており、年間の年金受給額が18万円以上ある場合に年金から天引きされます。

よって、65歳から年金を受け取り始め、受給額が1ヵ月あたり1万5000円を超えるのであれば、天引きの対象となるのです。納付の手間や遅延がないよう、多くの人が天引き対象となるよう制度設計されています。多数の人が、10月から年金支給額が変化する可能性があるのです。

次章では、手取り額が変わるのを確認する手段を解説します。