2025年も残りわずかとなり、冬の寒さが本格的になってきました。
50歳代を迎えたみなさんの中には、ご自身の「ねんきん定期便」を基に、老後の収入について具体的に計算を始めた方も多いでしょう。
特に50歳以降に届く「ねんきん定期便」は、それ以前のものとは仕様が異なり、老後の年金見込み額がより正確な計算に基づいた金額で記載されるため、具体的なライフプランを立てるうえで非常に重要になります。
本文でも触れている通り、公的年金は現役時代の働き方によって受給額に大きな個人差があるのが実態です。ご自身の見込額が低く、生活に不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、年金収入や所得が一定基準以下の場合、年金に上乗せして「年金生活者支援給付金」を受け取れる制度があります。
支給要件を満たす場合には、日本年金機構から通知を兼ねた請求書が届きます。ただし、これを返送して「申請手続き」をおこなわないと、1円も受け取ることができません。
本記事では、この給付金の詳しい支給要件と、見逃しがちな申請方法について、封筒の種類や電子申請も踏まえて解説します。
1. 年金生活者支援給付金「いつ、いくらもらえる」
「年金生活者支援給付金」は、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準に満たない場合に受け取れる給付金です。
老齢年金、障害年金、遺族年金のそれぞれの年金に給付金が設けられており、それぞれの基礎年金に上乗せして支給されます。
1.1 年金生活者支援給付金「いつもらえる?」
年金生活者支援給付金は、年6回に分けて、偶数月の15日に支払われます。なお、15日が土日または祝日のときは、その直前の金融機関の営業日に前倒しとなります。
年金の受取口座と同じ口座に、同日、年金とは別に振り込まれます。(通帳にはそれぞれ別の振込として記載されます)
各支払月には、原則、その前月までの2カ月分の年金生活者支援給付金が支払われます。例えば、12月に給付されるのは、10月分・11月分の給付金です。
また、給付額は公的年金と同様に、年度ごとに見直しがおこなわれます。
1.2 年金生活者支援給付金「2025年度の給付額」いくらもらえる?
2025年度の「年金生活者支援給付金」の給付額は、前年度より+2.7%引き上げられており、6月支給分の「4・5月分給付金」から増額率が適用されています。
各給付金の2025年度月額は以下の通りです。
- 老齢年金生活者支援給付金(月額):5450円(※基準額)
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5450円
なお、老齢年金生活者支援給付金については、上記を基準額として、保険料納付済期間などをもとに実際の給付金額が計算されます。
