3. まとめにかえて
今回の記事では、「標準的な年金モデル」と「実際の受給額の分布」から見える、年金生活の現実について解説しました。
標準的な夫婦で月額23万円台という年金額は、一見すると十分な金額に思えるかもしれません。しかし、これは「夫が平均収入で40年間勤続」という満額に近いモデルケースです。実際の厚生年金受給者では、年金支給日に40万円(月額20万円)以上受給している人は、16.3%という状況です。
公的年金は2カ月に一度の支給となるため、現役時代とは異なる計画的な資金管理が必要です。また、年金から天引きされる税金や社会保険料によって、手取り額はさらに変わります。
老後の生活を安定させるには、年金だけに頼らず、iDeCoやNISAといった自助努力による資産形成を継続していくことが非常に重要になります。ご自身の年金額と向き合い、早めに対策を講じることで、安心できる老後の土台を築きましょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします ~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
長井 祐人