総務省「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」によれば、65歳以上の人口は3619万人であり、総人口に占める割合は29.4%となっています(2025年9月14日公表)。
なお、この割合は2030年には30.8%、2050年には37.1%になると推計されています。
少子高齢化の日本においては、老後の生活を支える「お金」に不安を感じる人も少なくありません。今回は現代シニアの65歳以上のお金事情を確認します。
また、最近では60歳代で働く人も増えているため、高齢者の仕事事情についても確認しましょう。
1. 最新の「65歳以上の仕事」どんな業種で働いている?
65歳以上について、まずは就業率を総務省「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」よりみると、65歳以上で働く人の割合は25.7%となっており、およそ4人に1人です。
同資料より、どのような業種で働いているのかも見ていきましょう。
人数でみると多い順に、「卸売業、小売業」が133万人、「医療、福祉」が115万人※1、「サービス業(他に分類されないもの)」が104万人※2、「農業、林業」が93万人などとなっています。
※1そのうち「社会保険・社会福祉・介護事業」が75万人、「医療業」が38万人など。
※2そのうち「その他の事業サービス業」(建物サービス業、警備業など)が74万人など。
なお、10年前と比べて増えている業種は「医療、福祉」、「サービス業(他に分類されないもの)」、「卸売業,小売業」、「建設業」などが増加の幅が大きくなっています。
長く働き続けている人が増えている現代においては、現役時代から何歳まで、どのような業種や職種で働き続けたいか考えるといいでしょう。
2. 【65歳以上無職世帯】みんなの「月の生活費」はいくらになる?
では、実際に老後の生活費はどれくらいかかるのでしょうか。総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」より、65歳以上無職夫婦世帯の平均的な生活費を確認しましょう。
2.1 65歳以上の無職夫婦世帯の家計収支
毎月の実収入合計:25万2818円 ※うち社会保障給付(主に年金)は22万5182円
毎月の支出合計:28万6877円
- うち非消費支出:3万356円
- うち消費支出:25万6521円
- そのうち食料:7万6352円
- そのうち住居:1万6432円
- そのうち光熱・水道:2万1919円など
毎月の収入は約25万円。そのうち年金は約22万円です。しかし後で確認しますが、年金は現役時代の加入状況により個人差が大きいです。
支出をみると約28万円にもなりました。思っていたより多いと感じる人もいるかもしれません。
物価高の今、平均的な食費をみると7万円台となっています。また、水道光熱費は約2万円でした。実際にはご家庭にあわせた老後の支出も早くから試算しておきたいですね。