6. 高齢者向け医療保険の種類と特徴
医療保険に入りたくても、健康に不安を抱えていて通常の医療保険への加入が難しい方もいるでしょう。その場合は次のような選択肢があります。
6.1 引受基準緩和型医療保険
通常の医療保険に加入できない場合の選択肢として、引受基準緩和型医療保険があります。健康状態に関する質問事項が少なく、通常の医療保険より加入しやすいのが特徴です。
メリットは加入しやすさに加え、持病の悪化も保障対象となる点です。ただし、加入しやすい分保険料が割高に設定されている点には注意が必要です。
6.2 無選択型保険
引受基準緩和型でも加入が困難な場合は、健康状態にかかわらず誰でも加入できる無選択型保険という選択肢があります。加入に際し健康状態を問われないメリットがありますが、引受基準緩和型よりもさらに保険料が割高に設定されています。
7. 高齢者の医療保険選びの基本ポイント
後悔しない保険選びのために、押さえておきたいポイントがいくつかあります。ここからは高齢者の保険の選び方について、プロが詳しくご紹介します。
7.1 加入できる可能性の確認
まず自分の健康状態で保険に加入できるかを確認してから保険選びを進めることが重要です。通常の医療保険への加入が困難な場合は、引受基準緩和型医療保険も視野に入れて検討しましょう。
7.2 保障内容の決定
医療保険の主契約は入院日額給付金と手術給付金で構成されていることが一般的です。高額療養費制度を利用した際の自己負担額を参考に保障額を決定しましょう。高齢者は入院が長期化する可能性を考慮して、支払限度日数は120日型など長めの日型を選ぶのもおすすめです。
7.3 特約の選択
先進医療特約は月額100円から200円程度とお手頃で、多くの方が付加しています。また、がんや三大疾病に手厚く備える特定疾病一時金特約や、入院した日数に関係なくまとまった金額を受け取れる入院一時金特約を付加する人も増えています。
7.4 保険期間の選択
高齢者が医療保険を検討する際は、一生涯保障が続く終身タイプがおすすめです。定期タイプは更新ごとに保険料が上昇し、更新限度年齢も設定されているため、80歳以降は契約が終了してしまう可能性があるので注意しましょう。
8. まとめ
老後は限られた年金収入や貯蓄で生活していく人も多くなります。
ケガや病気で入院したときの医療費負担を想定し、家計に影響を与えるようであれば医療保険に加入し、準備しておくことが大切です。
参考資料
- 厚生労働省「令和2年患者調査の概況」
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
- 厚生労働省「生涯医療費」
- 厚生労働省「医療費の一部負担(自己負担)割合について」
- 厚生労働省「入院時の食費について」
- 公益財団法人生命保険文化センター「令和4年 生活保障に関する調査」
ほけんのコスパ編集部