年金だけじゃ足りない？【65歳以上シニア世帯】平均貯蓄額と年金額、リアルな生活費を覗く！

心地よい秋風が吹き始めましたね。ふと将来の生活について思いを巡らせる方もいるのではないでしょうか。

老後の生活や資金について、漠然とした不安を抱えている人は少なくありません。公的年金制度は複雑で分かりにくく、将来自分がいくら受け取れるのか、具体的な目安がついていないケースも多いでしょう。

そこで本記事では、65歳以上シニア世帯の平均的な生活費、年金額、そして貯蓄額といったリアルなデータを見ていきます。老後対策の参考にご覧ください。

1. 65歳以上の無職世帯「年金シニアの月の生活費」はいくら？

2025年3月11日に総務省統計局が公開した「家計調査報告〔家計収支編〕2024年（令和6年）平均結果の概要」では、65歳以上の無職夫婦世帯の家計は、ひと月あたり約3万4000円の不足が生じていることが示されています。

では、その調査結果を詳しく見ていきましょう。

65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支（2024年）

■うち社会保障給付（主に年金）：22万5182円

■うち消費支出：25万6521円

■うち非消費支出：3万356円

月々の平均収入は25万2818円で、そのうち約9割にあたる22万5182円を公的年金などの社会保障給付が占めています。

一方、支出の総額は28万6877円にのぼり、内訳は生活費にあたる消費支出が25万6521円、税金や社会保険料といった非消費支出が3万356円となっています。

結果として、毎月3万4058円の赤字が生じ、この不足分は主に貯蓄の取り崩しなどで補っていく必要があります。

また、高齢世帯は持ち家の割合が高いことから、住居費は1万6432円と比較的低水準ですが、賃貸に暮らしている場合には家賃分が加わる点に注意が必要です。

さらに、この支出には介護費用が含まれていないことも押さえておく必要があります。

こうした老後の家計状況を支えるのが「貯蓄」です。

次に、65歳以上世帯の貯蓄状況を確認していきましょう。