厚生労働省によると、全国の100歳以上の高齢者は今年9月1日時点で9万9,763人となり、55年連続で過去最多を更新しました。
1963年にはわずか153人だったことを考えると、日本人の寿命は大きく延びてきたことがわかります。今や「人生100年時代」と言われるなか、老後の生活は長期化するのが当たり前になってきました。
本記事では、日本の公的年金制度の仕組みから、世代別の平均受給額、そして男女でどれくらいの差があるのかを詳しく解説します。
長い人生をどう幸せに過ごしていくか、考えるきっかけとしてください。
1. 【最新】2025年平均寿命は何歳?
私たちは日頃「平均寿命」という言葉を何気なく使っていますが、これは0歳の平均余命を指します。
厚生労働省が2025年7月25日に公表した「令和6年簡易生命表の概況」によると、最新の平均寿命は男性が81.09年、女性が87.13年でした。
前年と比較すると、男性は横ばい(▲0.00年)、女性はわずかに下回りました(▲0.01年)。また、平均寿命の男女差は6.03年で、前年より▲0.01年とわずかながら縮まっています。
過去の推移も見てみましょう。
- 昭和22年:男50.06 女53.96 男女差3.90
- 昭和25-27年: 男59.57 女62.97 男女差3.40
- 昭和30年: 男63.60 女67.75 男女差4.15
- 昭和35年: 男65.32 女70.19 男女差4.87
- 昭和40年: 男67.74 女72.92 男女差5.18
- 昭和45年: 男69.31 女74.66 男女差5.35
- 昭和50年: 男71.73 女76.89 男女差5.16
- 昭和55年: 男73.35 女78.76 男女差5.41
- 昭和60年: 男74.78 女80.48 男女差5.70
- 平成2年: 男75.92 女81.90 男女差5.98
- 平成7年: 男76.38 女82.85 男女差6.47
- 平成12年 :男77.72 女84.60 男女差6.88
- 平成17年:男78.56 女85.52 男女差6.96
- 平成22年:男79.55 女86.30 男女差6.75
- 平成27年 男80.75 女86.99 男女差6.24
- 令和2年 男81.56 女87.71 男女差6.15
- 令和3年 男81.47 女87.57 男女差6.10
- 令和4年 男81.05 女87.09 男女差6.03
- 令和5年 男81.09 女87.14 男女差6.05
- 令和6年 男81.09 女87.13 男女差6.03
長期的なデータを見ると、男女ともに平均寿命が大きく延びており、「人生100年時代」が現実味を帯びてきたことを実感することができます。
長くなった老後を豊かに過ごすためには、現役時代からの計画的な貯蓄や資産形成、さらには公的年金制度への理解が大切となってくるでしょう。
2. 公的年金は働き方によって受給額が異なります
公的年金は「2階建て構造」などと表現されます。
これは、1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」、2階部分にあたる「厚生年金」から成り立つためです。
2.1 《1階部分》国民年金
- 加入対象者:原則として日本に住む20歳以上から60歳未満の全員
- 年金保険料:全員一律、ただし年度ごとに改定あり(2025年度月額:1万7510円)
- 受給額:保険料を40年間欠かさず納付すれば満額(2025年度月額:6万9308円)
2.2 《2階部分》厚生年金 ※国民年金に上乗せで加入
- 加入対象者:会社員や公務員、またパートなどで特定適用事業所(※1)に働き一定要件を満たした人
- 年金保険料:収入に応じて(上限あり)変わる(※2)
- 受給額:加入期間や納めた保険料により個人差あり
※1 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※2 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
国民年金には、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員が原則加入し、一律の年金保険料を納めます。
一方で厚生年金は、会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入し、収入に応じた年金保険料を納めるしくみです。
3. 2025年度は物価高騰対策で1.9%増額されました
物価や賃金の動向を踏まえ、公的年金額は年度ごとに見直しがおこなわれます。その結果、2025年度の年金額例は以下の通りとなりました。
3.1 2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例
- 国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分):6万9308円(+1308円)
- 厚生年金(夫婦2人分):23万2784円(+4412円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
2025年度は前年度に比べて1.9%の増額となり、国民年金は満額で月6万9308円です。
厚生年金は「会社員の夫と専業主婦(国民年金のみ)の妻」の世帯をモデルとして、月23万2784円となっています。
4. 60歳~90歳以上「厚生年金」いくらもらえる?
厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、厚生年金(国民年金部分を含む)の各年齢における平均年金月額を、1歳刻みで見ていきます。
なお、厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されており、ここでは民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」(以下記事内では「厚生年金」と表記)の年金月額(国民年金の月額部分を含む)を紹介します。
4.1 【60歳代】厚生年金の平均年金月額(60〜69歳)1歳刻みで見る
- 60歳:厚生年金9万6492円
- 61歳:厚生年金10万317円
- 62歳:厚生年金6万3244円
- 63歳:厚生年金6万5313円
- 64歳:厚生年金8万1700円
- 65歳:厚生年金14万5876円
- 66歳:厚生年金14万8285円
- 67歳:厚生年金14万9205円
- 68歳:厚生年金14万7862円
- 69歳:厚生年金14万5960円
4.2 【70歳代】厚生年金の平均年金月額(70〜79歳)1歳刻みで見る
- 70歳:厚生年金14万4773円
- 71歳:厚生年金14万3521円
- 72歳:厚生年金14万2248円
- 73歳:厚生年金14万4251円
- 74歳:厚生年金14万7684円
- 75歳:厚生年金14万7455円
- 76歳:厚生年金14万7152円
- 77歳:厚生年金14万7070円
- 78歳:厚生年金14万9232円
- 79歳:厚生年金14万9883円
4.3 【80歳代】厚生年金の平均年金月額(80〜89歳)1歳刻みで見る
- 80歳:厚生年金15万1580円
- 81歳:厚生年金15万3834円
- 82歳:厚生年金15万6103円
- 83歳:厚生年金15万8631円
- 84歳:厚生年金16万59円
- 85歳:厚生年金16万1684円
- 86歳:厚生年金16万1870円
- 87歳:厚生年金16万2514円
- 88歳:厚生年金16万3198円
- 89歳:厚生年金16万2841円
4.4 【90歳以上】厚生年金の平均年金月額
- 90歳以上:厚生年金16万721円
※65歳未満の厚生年金受給者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢が引き上げられたため、報酬比例部分のみ受給している方も含む。
一般的な老齢年金受給スタート年齢である65歳以降でみると、厚生年金の平均年金月額は14~16万円台でした。
5. 60歳~90歳以上「国民年金」いくらもらえる?
同じく厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、国民年金のの各年齢における平均年金月額を、1歳刻みで見ていきます。
5.1 【60歳代】国民年金の平均年金月額(60〜69歳)1歳刻みで見る
- 60歳:国民年金4万3638円
- 61歳:国民年金4万4663円
- 62歳:国民年金4万3477円
- 63歳:国民年金4万5035円
- 64歳:国民年金4万6053円
- 65歳:国民年金5万9599円
- 66歳:国民年金5万9510円
- 67歳:国民年金5万9475円
- 68歳:国民年金5万9194円
- 69歳:国民年金5万8972円
5.2 【70歳代】国民年金の平均年金月額(70〜79歳)1歳刻みで見る
- 70歳:国民年金5万8956円
- 71歳:国民年金5万8569円
- 72歳:国民年金5万8429円
- 73歳:国民年金5万8220円
- 74歳:国民年金5万8070円
- 75歳:国民年金5万7973円
- 76歳:国民年金5万7774円
- 77歳:国民年金5万7561円
- 78歳:国民年金5万7119円
- 79歳:国民年金5万7078円
5.3 【80歳代】国民年金の平均年金月額(80〜89歳)1歳刻みで見る
- 80歳:国民年金5万6736円
- 81歳:国民年金5万6487円
- 82歳:国民年金5万6351円
- 83歳:国民年金5万8112円
- 84歳:国民年金5万7879円
- 85歳:国民年金5万7693円
- 86歳:国民年金5万7685円
- 87歳:国民年金5万7244円
- 88歳:国民年金5万7076円
- 89歳:国民年金5万6796円
5.4 【90歳以上】国民年金の平均年金月額
- 90歳以上:国民年金5万3621円
※65歳未満で受給している国民年金の受給者は繰上げ受給を選択した方。
65歳以降の国民年金の平均年金月額は、いずれの年齢も5万円台でした。
6. 【厚生年金・国民年金】受給権者数「1万円刻み」
各年齢の平均年金月額について確認したあとは、60歳~90歳以上の全受給権者におけるデータも見てみましょう。
厚生年金と国民年金、それぞれの平均年金月額と、1万円刻みの受給額分布も確認します。
6.1 「厚生年金」平均年金月額&1万円刻みの受給額分布
「厚生年金」平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万6429円
- 〈男性〉平均年金月額:16万6606円
- 〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金部分を含む
「厚生年金」1万円刻みの受給額分布
- 1万円未満:4万4420人
- 1万円以上~2万円未満:1万4367人
- 2万円以上~3万円未満:5万231人
- 3万円以上~4万円未満:9万2746人
- 4万円以上~5万円未満:9万8464人
- 5万円以上~6万円未満:13万6190人
- 6万円以上~7万円未満:37万5940人
- 7万円以上~8万円未満:63万7624人
- 8万円以上~9万円未満:87万3828人
- 9万円以上~10万円未満:107万9767人
- 10万円以上~11万円未満:112万6181人
- 11万円以上~12万円未満:105万4333人
- 12万円以上~13万円未満:95万7855人
- 13万円以上~14万円未満:92万3629人
- 14万円以上~15万円未満:94万5907人
- 15万円以上~16万円未満:98万6257人
- 16万円以上~17万円未満:102万6399人
- 17万円以上~18万円未満:105万3851人
- 18万円以上~19万円未満:102万2699人
- 19万円以上~20万円未満:93万6884人
- 20万円以上~21万円未満:80万1770人
- 21万円以上~22万円未満:62万6732人
- 22万円以上~23万円未満:43万6137人
- 23万円以上~24万円未満:28万6572人
- 24万円以上~25万円未満:18万9132人
- 25万円以上~26万円未満:11万9942人
- 26万円以上~27万円未満:7万1648人
- 27万円以上~28万円未満:4万268人
- 28万円以上~29万円未満:2万1012人
- 29万円以上~30万円未満:9652人
- 30万円以上~:1万4292人
厚生年金の平均年金月額は、全体で14万6429円でした。
男女別に見てみると、男性は16万6606円、女性は10万7200円となっています。ボリュームゾーンは「9万~12万円未満」および「16万~19万円未満」でした。
6.2 「国民年金(老齢基礎年金)」平均年金月額&受給額分布
国民年金(老齢基礎年金)についても見ていきましょう。
「国民年金(老齢基礎年金)」平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:5万7584円
- 〈男性〉平均年金月額:5万9965円
- 〈女性〉平均年金月額:5万5777円
「国民年金(老齢基礎年金)」1万円刻みの受給額分布
- 1万円未満:5万8811人
- 1万円以上~2万円未満:24万5852人
- 2万円以上~3万円未満:78万8047人
- 3万円以上~4万円未満:236万5373人
- 4万円以上~5万円未満:431万5062人
- 5万円以上~6万円未満:743万2768人
- 6万円以上~7万円未満:1597万6775人
- 7万円以上~:227万3098人
国民年金の場合、平均年金月額は全体・男女とも5万円台。ボリュームゾーンは「6万円以上~7万円未満」です。
7. 【地域別】100歳以上の高齢者の人数を紹介
日本の高齢化が一段と進んでいます。厚生労働省が9月12日に発表した調査によると、2025年9月1日時点で全国にいる100歳以上の高齢者は9万9,763人となりました。前年より4,644人増え、55年連続で過去最多を更新しています。
性別では、女性が8万7,784人と全体の約88%を占めており、男性に比べて長寿の傾向がはっきりと表れています。
1963年に統計を取り始めた当初はわずか153人だった100歳以上の高齢者は、1981年に1,000人、1998年に1万人を超えました。2012年には5万人、2022年には9万人を突破し、この十数年で急増しています。日本人の平均寿命が延び、医療の進歩や生活環境の改善が進んだ結果といえるでしょう。
人口10万人あたりの100歳以上高齢者数は全国平均で80.58人でした。地域別に見ると、島根県が168.69人で13年連続最多となり、高知県(157.16人)、鳥取県(144.63人)が続いています。最少は埼玉県(48.50人)で、愛知県(53.00人)、大阪府(55.44人)と都市部で比較的少ない傾向も見られました。
参考資料
三石 由佳
