4. 【富裕層+超富裕層】保有する「純金融資産の総額」は10年間で約72%増加!

「富裕層」「超富裕層」の2005年からの保有資産規模と世帯数の推移を見てみると、リーマンショックや東日本大震災の影響による一時的な落ち込みはありますが、長期的に見ると上昇傾向にあります。

とくに2011年以降は一貫して増加が続いています。

富裕層と超富裕層の「純金融資産保有額の合計」の推移をみてみましょう。

  • 2011年:188兆円
  • 2013年:241兆円
  • 2015年:272兆円
  • 2017年:299兆円
  • 2019年:333兆円
  • 2021年:364兆円
  • 2023年:469兆円

直近10年(2013⇒2023年)を比較すると、この2つの層が保有する純金融資産の総額は実に約72%も増加しています。

5. 富裕層や超富裕層が増加した「3つの背景」とは?

近年、日本で富裕層が増え続けている背景には、いくつかの要因が考えられます。

5.1 【背景1】国内外の株価上昇

1つ目に挙げられるのが「国内外の株価上昇」です。

米国の株式市場は「ダウ工業株30種平均」や「S&P500」といった主要指数が示すように、短期的な変動はありながらも長期的な上昇トレンドを維持してきました。

この株高は米国に限らず世界的な傾向です。富裕層は一般世帯に比べ、株式の保有額や、株式が総資産に占める割合が高い傾向があります。

こうした世界的な株高が、「持てる世帯」の資産を大きく押し上げる主な要因となってきたと考えられるでしょう。