老後の生活の柱である厚生年金と国民年金。老後資金を考えるとき、「いくら将来年金がもらえるか」を考える方も多いと思いますが、もう一つ考えたいのが基本的に年金から税金や社会保険料が天引きされるため残りで生活をするというこです。
年金は現役時代の加入状況により決まるもの。
ただし、老後になってもその振込額は変わります。
年金振込額が変わる主な要因は「年金額改定」と「年金からの天引き」の2つ。
今回はこの「年金からの天引き」に視点をあてて、どのように年金の振込額が変わる可能性があるのかをみていきます。
また、年金制度や厚生年金と国民年金の平均月額も5歳刻みでみていきますので、年金への理解を深めましょう。
1. 公的年金とは
現役時代の働き方や年金への加入状況は、将来受け取る年金額に直結します。
日本の公的年金制度は「2階建て」とよく表現されるように、その構造を理解することが重要です。
これは、全ての国民が加入する基礎部分の「国民年金」を1階部分とし、会社員や公務員などがさらに加入する「厚生年金」が2階部分として上乗せされる構造になっているためです。
それぞれの年金制度の基本を整理しましょう。
1.1 1階部分:国民年金(基礎年金)
- 加入対象:原則として日本国内に住む20歳以上から60歳未満の人全員
- 年金保険料:全員一律(※1)
- 老後の受給額:40年間納付すると65歳以降に満額(※2)を受給できる
※1 国民年金保険料の月額:2025年度 1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の月額:2025年度 6万9308円
1.2 2階部分:厚生年金(被用者年金)
- 加入対象:会社員や公務員、一定要件を満たすパート・アルバイトの人が国民年金に上乗せして加入
- 年金保険料:報酬(賞与・給与)に応じて計算される(上限額あり※3)
- 老後の受給額:国民年金に上乗せして受給。厚生年金部分は年金加入期間や納付済保険料により個人差が出る
※3 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。
現役時代の働き方や立場によって、「国民年金のみに加入する人」と「国民年金と厚生年金の両方に加入する人」に分かれるため、老後に受け取る年金タイプもこの2種類となります