寒さとともに暖房費など家計の出費が増えはじめる季節に、老後の生活資金について改めて考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

とくに70歳代以上のシニア世代にとって、年金収入と実際の支出のバランスは、日々の暮らしに直結する重要な問題です。

総務省の家計調査報告によると、70歳以上二人以上世帯の消費支出は平均で月々約25万2000円に上るとされています。

では、厚生労働省が公表する標準的な夫婦の年金額はいくらなのでしょうか。

本記事では、「70歳代以上の夫婦世帯」のリアルな生活費の内訳と、貯蓄の平均額・中央値について解説します。

2025年度の「モデル年金額」もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

1. 70歳代・二人以上世帯の「老後の生活費」は平均いくら?

70歳代二人以上世帯 平均支出額

70歳代二人以上世帯 平均支出額

出所:総務省「家計調査報告 2024年1世帯当たり1か月間の収入と支出」をもとに筆者作成

総務省統計局「家計調査報告」によれば、70歳以上の二人以上世帯では、月々の消費支出が平均で約25万2000円となっています。

ここに税金などの非消費支出を加えると、実際の支出額は25万2000円を超える水準になります。

消費支出だけを見た場合の平均的な内訳は、次のとおりです。

  • 食料費:7万8565円
  • 住居費:1万5954円
  • 光熱・水道費:2万3455円
  • 家事・家具用品費:1万1502円
  • 被服及び履き物費:5858円
  • 保健医療費:1万7629円
  • 交通・通信費:2万8168円
  • 教育費:359円
  • 教養娯楽費:2万3402円
  • その他費用:4万8205円