2. 富裕層・超富裕層は増加傾向にある
株式会社野村総合研究所の同推計によると、2005年から2023年にかけて富裕層と超富裕層の世帯数とその保有する純金融資産額は、年々増加傾向にあります。
また、一般生活者の中でも「いつの間にか富裕層」になる世帯が増加しています。
2.1 富裕層・超富裕層の世帯数と純金融資産額の推移
各年の富裕層・超富裕層の世帯数と純金融資産額の推移は以下の通りです。
<調査年:富裕層・超富裕層世帯数/純金融資産額>
- 2005年:86万5000世帯/213兆円
- 2007年:90万3000世帯/254兆円
- 2009年:84万5000世帯/195兆円
- 2011年:81万世帯/188兆円
- 2013年:100万7000世帯/241兆円
- 2015年:121万7000世帯/272兆円
- 2017年:126万7000/299兆円
- 2019年:132万7000世帯/333兆円
- 2021年:148万5000世帯/364兆円
- 2023年:165万3000世帯/469兆円
2023年における富裕層・超富裕層の世帯数と純金融資産額は、2005年調査時のおよそ2倍に増加していることがわかります。
2.2 「いつの間にか富裕層」も増加している
富裕層や超富裕層のほかに、「いつの間にか富裕層」も増加傾向にあるとされています。
いつの間にか富裕層とは、「資産家になることを目指していたわけではないにもかかわらず、気付いたら積み上げた資産が富裕層レベルになっていた世帯」と株式会社野村総合研究所は定義付けています。
「いつの間にか富裕層」には次のような特徴があります。
- 主に40代後半から50代の一般会社員
- 新NISAや確定拠出年金などで資産運用をしている
- 給料の範囲内で、今までと同じような暮らしを続けている
- 従来の富裕層よりも金融知識が十分でないケースがある
- 金融知識があっても、増やした資産を適切に分散投資する知識が十分でないケースがある
いつの間にか富裕層は、近年の株式相場の上昇により、投資商品で資産を増やしたケースが多く、富裕層以上世帯の1〜2%を占めているとされています。