秋の気配を感じるこの頃。働く人にとって「給与」と「貯蓄」は大きな関心事ですよね。実は、企業規模によって年収も貯蓄も大きく違うのをご存知でしょうか。最新データをみると、1000人以上の企業で平均年収は928万円、平均貯蓄は約2064万円という結果が出ました。今回は、大企業と中小企業のリアルな差と、年収にかかわらず広がる資産運用の実態を解説します。
※今回用いた統計は複数の調査元を引用しているため、調査対象・集計単位が異なります。「年収」「貯蓄」等の数値は比較の便宜上並べていますが、単純比較ではなくそれぞれの傾向としてご覧ください。
1. 大企業の定義とは?
「大企業」と聞くと、誰もが知る有名企業が思い浮かぶかもしれません。しかし、その明確な定義を知っている方は少ないのではないでしょうか。
実は、大企業の定義は一つではありません。調査や資料によって異なる場合がほとんどです。たとえば、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」では、常用労働者が1000人以上の企業を「大企業」と定義しています。一方で、「中小企業基本法」に定められた中小企業の定義(資本金や従業員数)に当てはまらない企業を「大企業」とするケースもあります。
そのため、大企業かどうかを従業員の数だけで判断するのは難しいといえるでしょう。今回は、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」にもとづき企業規模で常用労働者1000人以上を「大企業」、100~999人を「中企業」、10~99人を「小企業」と区分けしてデータを読み解いていきます。