4. 【生活保護】生活扶助の500円上乗せはいつまで続く?
今回の500円増額は、2年間の限定的な措置です。しかし、2年後の状況によっては、再度措置を講じる可能性もあります。
こうした経済情勢を踏まえて、厚生労働省は生活扶助を2025年度・2026年度で見直すとしています。主に見直しを図る内容は、以下のとおりです。
- 生活扶助基準本体(第1類・第2類)が一般低所得世帯の消費実態に見合った水準か
- 生活扶助基準本体(第1類・第2類)を世帯や地域ごとに設定するのが妥当か
- 社会経済情勢をどう反映するか
生活保護は、健康で文化的な最低限度の生活を保障するものでなければなりません。一方、社会保障費は増加を続けており、保護条件を緩和すれば、現役世代の社会保険料負担はますます重くなります。
こうした課題をクリアし、誰もが安心して利用できる制度となるよう、今後も検証と改善が続けられる必要があります。
5. 【生活保護】私たちの暮らしを支えるセーフティネット
物価の上昇や「賃金<物価」という状況は、生活保護にも影響をおよぼしています。最低限度の生活を保障する生活保護は、私たちの暮らしを支えるセーフティネットでなければなりません。今後の運用を社会全体で見守る必要があるでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「生活保護制度」
- 厚生労働省「福岡大臣会見概要(財務大臣折衝後)」
- 総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)7月」
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年6月分結果確報」
- 厚生労働省「生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和7年4月)」
- 厚生労働省「給付と負担について」
石上 ユウキ