2025年の後期高齢者医療制度の保険料最高額が、2024年に続いてアップしました。

最高額アップで影響を受けるのは高所得者に限定されるため、所得の高い人の中には保険料が気になる人も多いでしょう。

本記事では、後期高齢者医療制度の最高額の保険料を払っている人の年収目安について解説します。

保険料の計算方法や保険料平均なども紹介しますので、制度加入者(または加入が近い人)は確認しておきましょう。

1. 後期高齢者医療制度の平均保険料

75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度の保険料率は、2年ごとに見直しが行われます。2023年の法律改正によって、2024年度と2025年度の保険料は段階的に引き上げられました。

その結果、保険料の平均額は次の通り上昇しています。

後期高齢者医療制度の平均保険料1/3

後期高齢者医療制度の平均保険料

出所:厚生労働省「令和6年度からの後期高齢者医療の保険料について」をもとに筆者作成

 

  • 2022・2023年度:7万8902円
  • 2024年度(見込):8万4988円
  • 2025年度(見込):8万6306円
    ※いずれも年間

2. 後期高齢者医療制度の保険料計算方法

後期高齢者医療制度の保険料は、都道府県単位で設立される後期高齢者医療広域連合によって異なりますが、基本的な計算方法は同じです。

加入者が一律に負担する「均等割額」と前年所得に応じた「所得割額」を合計して算出します。

たとえば、2025年の東京都の加入者の保険料は以下の通り計算します。

  • 保険料(年額)=均等割額(4万7300円)+所得割額(所得金額×9.67%)

保険料には全国共通の上限が設けられており、年80万を超える人は保険料の年額が一律80万となります。保険料の上限額は以下の通り2年連続で引き上げられました。

  • 2022・2023年度:年66万円
  • 2024年度:年73万円(※)
  • 2025年度:年80万円

※本来年80万円が上限ですが、上昇幅が大きいため激変緩和措置として抑えられました。

また、一定所得以下の世帯については均等割額の軽減措置が設けられています。詳細は居住地を所管する後期高齢者医療広域連合のホームページなどで確認しましょう。

ここまで、後期高齢者医療制度の平均保険料と推移、保険料の計算方法について解説しました。

次章では、最高額の保険料を払っている人の年収目安と保険料の今後の見通しなどを紹介します。

3. 最高額の保険料を払っている人の年収目安はいくら?

最高額の保険料を払っている人の年収は、おおよそ1000万円です。これを超える人の保険料は年80万円となります。

前述の東京都の加入者で見ると、均等割額が4万7300円なので所得割額75万2700円以上の人が上限に達することになります。

所得割額の保険料率は9.67%、所得を年収の約85%だと仮定すると、計算上保険料が80万円ちょうどになる人の所得と年収は次の通りです。

  • 年間所得=75万2700円÷9.67%=約778万円
  • 年間収入=(約778万円+基礎控除額58万円)÷85%=約984万円

なお、2024年度から2025年度にかけての保険料水準や最高額の推移は、下図で大まかにイメージできるでしょう。

4. 【後期高齢者医療制度】財政状況と今後の保険料

後期高齢者医療制度の医療費は、病院窓口負担分を除くと約4割が後期高齢者支援金(現役世代の負担分)です。加入者の負担割合は約1割にすぎず、現役世代の負担増の一因となっています。

後期高齢者医療制度の医療費の負担割合3/3

後期高齢者医療制度の医療費の負担割合

出所:東京都後期高齢者医療広域連合「保険料」

2023年の法律改正では、「全世代型社会保障改革(※)」の一環として保険料の負担増加につながる次の制度改正が行われました。

※高齢者だけでなく子どもや現役世代など全世代を支える社会保障全般を持続可能なものとする改革のことです。

  • 「後期高齢者の保険料」と「現役世代の支援金」の伸び率を同じにする
  • 出産育児一時金に必要な費用の一部(7%)を後期高齢者の保険料から支援する

改正前は、現役世代の支援金の方が伸び率が高かったため、伸び率を同じにすることで後期高齢者の負担は大きくなります。また、出産育児一時金に必要な費用の一部を、新たに負担することになりました。

5. まとめにかえて

後期高齢者医療制度の保険料は2年連続の引き上げとなり、2025年度の平均保険料は年額8万6306円となりました。

同時に保険料の上限額も73万円から80万円にアップしています。保険料の上限額に達するのは、年収およそ1000万円の高所得者です。

子育て世代や現役世代の負担増加を抑えるために、所得のある高齢者には今後とも一定の負担が求められると予想されます。老後生活に密着した制度であるため、今後の動向にも注意しましょう。

参考資料

西岡 秀泰