4. 老齢年金生活者支援給付金の平均支給額はどのくらい?
前章では計算例を示しましたが、実際にはすべての人が基準額の5450円やそれ以上を受け取っているわけではありません。
厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、老齢年金生活者支援給付金の年代別平均支給額は次のとおりです。
- 70歳未満:4691円
- 70~74歳:4187円
- 75~79歳:3930円
- 80~84歳:3835円
- 85~89歳:3883円
- 90歳以上:3952円
いずれの年代でも基準額を下回っており、実際の受給額には大きな個人差があることがわかります。これは、保険料の納付状況や免除期間の長さが人によって大きく異なるためです。
とはいえ、この制度は一定の条件を満たし続ける限り生涯にわたり支給される仕組みであり、たとえ月額数千円であっても生活費の一部を補う大切な支援策となります。
物価上昇が続く現在では、わずかな上乗せでも実感として家計の助けになる世帯は少なくありません。
なお、老齢年金生活者支援給付金は「申請必須」の制度であり、申請を行わなければ1円も受け取れません。毎年9月頃に日本年金機構から送られる緑色の封筒の通知を見落とさず、対象となる場合は必ず手続きを行いましょう。