年金受給世帯がどのような暮らしをしているのか、気になる人もいるのではないでしょうか。

特に年金受給生活が迫ってくる50代は、老後生活準備に不足しているものはないか、焦ってしまう人も多いと聞きます。

そこで今回は年金受給世帯がどのような暮らしをしているのか、各調査データから見ていきましょう。

そして、総務省が2025年8月25日に公表した「家計簿からみたファミリーライフ」をもとに、60代・70代の支出から見える健康意識の高さについてもご紹介していきます。意外なものへの支出割合が、他の年代と比較して高くなっていることがわかりました。

ぜひ年金受給生活準備の参考にしてください。

1. 【いまどきシニア】65歳以上の無職夫婦世帯はどんな暮らしをしているのか?

総務省「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」から、65歳以上の無職夫婦世帯の平均的な家計収支を見ていきます。

1.1 【家計収支】65歳以上の夫婦のみの無職世帯(2024年)

収入:25万2818円

■うち社会保障給付(主に年金)22万5182円

支出:28万6877円

■うち消費支出:25万6521円

  • 食料:7万6352円
  • 住居:1万6432円
  • 光熱・水道:2万1919円
  • 家具・家事用品:1万2265円
  • 被服及び履物:5590円
  • 保健医療:1万8383円
  • 交通・通信:2万7768円
  • 教育:0円
  • 教養娯楽:2万5377円
  • その他の消費支出:5万2433円
    • うち諸雑費:2万2125円
    • うち交際費:2万3888円
    • うち仕送り金:1040円

■うち非消費支出:3万356円

  • 直接税:1万1162円
  • 社会保険料:1万9171円

家計収支

  • ひと月の赤字:3万4058円
  • エンゲル係数:29.8%
  • 平均消費性向:115.3%

この夫婦世帯の家計は、総収入25万2818円に対し、総支出が28万6877円と上回っており、毎月3万4058円の赤字が生じています。

収入の約9割を公的年金などの社会保障給付(22万5182円)が占めていますが、可処分所得のすべてを生活費に充てても足りない状況です(平均消費性向115.3%)。

そのため、不足分は貯蓄を取り崩してカバーしているのが実情です。