2. 告知義務違反の実態と統計データ
実際にはどれくらい告知義務違反が行われているのでしょうか。データから解説していきます。
2.1 告知義務違反の発生状況
保険会社の公表データによると、給付金支払い対象外となる事例のうち、約3~15%が告知義務違反によるものです。特にインターネット申し込みの場合、この割合は40%前後まで上昇する傾向にあります。
これは、対面での説明がないインターネット申し込みにおいて、告知の重要性が十分に理解されていないことが原因と考えられます。
2.2 告知義務違反が多い理由
多くの方が告知義務違反をしてしまう背景には、以下の要因があります。
- 告知の重要性に対する認識不足
- 「軽微な病気なら問題ないだろう」という誤解
- 保険加入を急ぐあまり、正確な情報収集を怠る
- インターネット申し込みでの説明不足
3. 告知義務違反がバレる仕組み
どうして嘘の告知をするとバレてしまうのでしょうか。ここからは、告知の内容を調査する方法について解説していきます。
3.1 医療機関への調査
保険会社は、給付金請求があった際に医療機関に対して詳細な調査を実施することがあります。具体的には以下の方法で調査が行われます。
カルテの確認
医療機関のカルテは法律により5年間の保存が義務付けられています。保険会社はこのカルテを参照することで、告知時には申告されていなかった受診歴や治療歴を発見することができます。
医療機関へのヒアリング
医療機関に対して、患者の治療経過や症状について詳細な聞き取り調査が行われることもあります。
3.2 健康保険データの活用
医療機関への調査だけでなく、保険会社は健康保険の利用履歴を被保険者本人の同意のうえ、参照することができます。
レセプト情報の確認
国民健康保険や社会保険のレセプト(診療報酬明細書)データを調査することで、いつどこの医療機関を受診したか、どのような治療を受けたかが判明します。
投薬歴の確認
処方薬の履歴も詳細に記録されているため、告知していない疾患の治療薬が処方されていれば、発覚してしまいます。
3.3 健康診断結果の照合
健康保険組合や協会けんぽが保管している健康診断結果と、告知内容を照合することで矛盾が発見されるケースもあります。