2025年11月となり、今年も残すところあとわずかとなりました。 年末が近づくと、退職後のセカンドライフや老後の生活資金について改めて考える方も多いのではないでしょうか。
現役時代には、将来もらえる年金額をシミュレーションして、漠然とした不安を抱くことはあっても、実際の生活費の内訳を具体的にイメージするのは難しいものです。特に、賃上げや物価高の報道が続く中、年金世代の家計がどうなっているのか、その実態を知ることは非常に重要です。
本記事では、総務省の家計調査報告をもとに、65歳以上の無職夫婦世帯のひと月の平均的な収支を詳細に解説します。また、収入と支出の具体的な金額差から、平均的な世帯が毎月直面している「赤字」の現実や、老後の生活費の内訳、さらには定年後の出費の変化までを深掘りします。
1. 【65歳以上】無職夫婦世帯「ひと月の生活費」は平均でいくら?
一般的に、老齢年金の受給開始年齢は65歳となっています。60歳から65歳までのタイミングで、仕事から完全に引退する人も多いでしょう。
総務省の「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、標準的な65歳以上の無職夫婦世帯の家計収支は次のとおりとなりました。
1.1 収入平均:月額25万2818円
■うち社会保障給付(主に年金)22万5182円
