6. 「国民年金と厚生年金」そしてこれからを考える

今回は、「国民年金と厚生年金」のしくみをふまえ、年金一覧表で年齢別の平均年金月額などを見ていきましたが、年金制度は今後大きく変わろうとしています。2025年6月13日に成立した年金制度改革関連法は、多様な働き方に対応するため、在職老齢年金制度の見直しなど、いくつかの重要な変更を盛り込んでいます。特に、2026年4月からは、年金が減額される基準額が月51万円から62万円へと大幅に引き上げられることになりました。

在職老齢年金制度の見直し

在職老齢年金制度の見直し

出所:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」

これにより、より多くのシニア世代が、年金カットを気にすることなく、柔軟な働き方ができるようになるでしょう。しかし、今後の経済状況によっては、年金制度が変更される可能性はあります。そのため、公的年金だけに頼らず、ご自身で資産形成に取り組むことが大切です。銀行預金だけでなく、リスクを許容できるのであれば、資産運用も選択肢の一つとなります。もし現時点での貯蓄が難しい場合は、生活費の見直しやキャリアアップなど、収入を増やす方法を考えてみるのも良いでしょう。

参考資料

野平 大樹