【申請しないともらえないシニア対象のお金】5つの「給付金」や「手当」とは？ひとりいくらもらえる？

2. 【雇用保険関連のお金】「再就職手当・高年齢雇用継続給付・高年齢求職者給付金」について

働くシニアにとって、就労に関する給付金や手当は関心の高いテーマといえます。

就労支援の仕組みは整いつつあるものの、60歳を境に収入が減少するケースは多く見られます（※）。

さらに、若い頃のように転職や再就職がスムーズに進まない人も少なくありません。

本章では、シニアが押さえておきたい雇用保険関連の手当・給付金を3つ紹介します。

※国税庁「令和5年分　民間給与実態統計調査」による年齢階層別の平均給与：50歳代後半男性712万円、女性330万円、60歳代前半男性573万円・女性278万円、60歳代後半男性456万円・女性222万円

再就職手当は、できるだけ早い再就職を後押しするための制度で、失業から再就職あるいは事業開始までの期間が短いほど支給額が増える仕組みになっています。

対象者：雇用保険受給資格者で基本手当の受給資格がある人
支給要件：対象者が雇用保険の被保険者となる、または事業主となって雇用保険の被保険者を雇用する場合で、基本手当の支給残日数（就職日の前日までの失業の認定を受けた後の残りの日数）が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給

手当の額：就職等をする前日までの失業認定を受けた後の基本手当の支給残日数により下記のとおり給付率が異なります。（1円未満の端数は切り捨て）
- 所定給付日数の3分の1以上の支給日数を残して就職した場合は「支給残日数の60％」
- 所定給付日数の3分の2以上の支給日数を残して就職した場合は「支給残日数の70％」

再就職手当の額

出所：厚生労働省「再就職手当のご案内」

また、再就職手当を受け取ったうえで再就職先に6カ月以上勤務し、その間の賃金が離職前より少ない場合には、「就業促進定着手当」の支給対象となります。

高年齢雇用継続給付は、60歳以上65歳未満の人が引き続き働く際に、60歳時点と比べて賃金が下がった場合に支給される給付金です。

【早見表】高年齢雇用継続給付（2025年4月1日以降）

出所：厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」

老齢年金を受給しつつ厚生年金に加入してこの給付を受ける場合、在職による年金の一部支給停止に加えて、標準報酬月額の最大4％（※）が支給停止となる点に注意が必要です。

※2025年3月31日以前に高年齢雇用継続給付の支給要件を満たす人は6％