物価高が続く昨今、「収入が増えればいいのに」と考える方もいるでしょう。

これだけ長く物価高が続くと、「支出を減らす」ことだけでなく、「収入を増やす」ことも考えることは重要です。

貯蓄は収入と支出の差でできるものですから、支出を減らし、収入を増やすことができると理想ですね。

ただ収入が増えたら必ずしもお金が貯まるというわけでもありません。何に、どれくらいのお金を使うかを考えることは大切です。

今回は憧れる人も多い「世帯年収1000万円」の世帯に視点をあてて、その割合や貯蓄額などをみていきましょう。

1. 「年収1000万円」の割合は?

まずは国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」より、給与所得者で年収1000万円超の割合を確認します。

年収1000万円超の割合1/3

年収1000万円超の割合

出所:国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」

1.1 年収1000万円超

  • 全体:5.5%
  • 男性:8.6%
  • 女性:1.4%

年収1000万円を達成している割合は全体で5.5%。男性でみると8.6%となります。

全体の平均年収は460万円ですから、年収1000万円の難しさがわかりますね。

最近は共働き家庭が主流となっています。では世帯年収で1000万円以上の割合はどれくらいでしょうか。

2. 「世帯年収1000万円以上」の割合は?

厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、世帯年収の分布は以下のようになっています。

上記によると、まず世帯の平均所得金額は536万円。中央値は410万円です。

所得が1000万円以上の世帯をみると12.3%となっています。

金額ごとの割合をみると先ほどの平均所得金額以下の世帯が61.9%です。共働き世帯が増えていますが、世帯年収1000万円を超えるのも簡単ではないとわかりますね。

世帯年収1000万円以上あれば貯蓄がまとまってできる印象がありますが、実態はどうでしょうか。

3. 【年代別の貯蓄額】世帯年収1000万円以上の世帯「平均・中央値」はいくら?

金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」を参考に、年代別に世帯年収が1000~1200万円未満の世帯の貯蓄をみていきましょう。

※貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。

 

世帯年収1000万円以上の貯蓄3/3

世帯年収1000万円以上の貯蓄

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにLIMO編集部作成

3.1 【年代別貯蓄額】世帯年収1000~1200万円未満の世帯:平均・中央値

  • 20歳代:850万円・495万円
  • 30歳代:1314万円・1000万円
  • 40歳代:1840万円・980万円
  • 50歳代:1966万円・825万円
  • 60歳代:2799万円・1680万円

世帯年収1000~1200万円未満の世帯では、平均・中央値ともにまとまった貯蓄ができている印象があります。

ただ金額ごとの割合をみると、貯蓄ゼロの世帯は30歳代で12.1%、40歳代で15.8%、50歳代で14.1%と一定数います。

高年収の世帯であっても、住んでいる地域の物価や住宅費、教育費などによって支出が増えたり、また収入が増えるほど支出も増えているなどしたりで貯蓄ができない世帯もあるでしょう。

4. 中長期的な収入増と家計のやりくりの検討を

今回は世帯年収1000万円以上の世帯に視点を当ててみてきました。

収入を増やす方法としては社内での昇進・昇給などのほか、副業可能な会社では副業、また転職などがあります。

夫婦どちらかが働く時間をセーブしていた場合には、長い目で見て家事育児などの負担が減れば働く時間を増やすなどするのも一つでしょう。いずれにおいてもすぐに収入が増えるわけではありませんが、長い目で見て計画を立てることは大切です。

自分で働くほかに、お金に働いてもらう「資産運用」も収入を増やす選択肢の一つではあります。新NISA制度を利用すれば、利益にかかる税金も非課税になります。

資産運用については損をするリスクがあるためしっかりと情報収集をおこない、リスク許容度内で運用することが大切です。

また資産運用に関しても、短期的に利益を得る方法はリスクが高く、運用経験者でも難しいもの。積立投資のように、長期的に毎月一定金額を積み立てるほうがリスクがあるものの軽減でき、初心者には向いているでしょう。

すぐに収入を増やすのは難しいですが、普段の節約などのほか、中長期で収入を増やすことも考えてみてはいかがでしょうか。

あわせて収入が増えるとともに支出も増やさないよう、「何にお金をかけ、何にお金をかけないか」「お金をかけるならいくらまでにするか」など家庭内で話し合うとよいでしょう。

参考資料

宮野 茉莉子