総務省が8月22日に公表した2025年7月の「全国消費者物価指数(CPI)」の総合指数は、前年同月比で3.1%の上昇となり、依然として高水準の物価上昇が続いています。

また、総務省が8月8日に公表した家計調査によれば、二人以上の世帯の消費支出は前年同月比で実質1.3%増加、名目では5.2%増加となり、生活費の上昇が家計に影響を与えていることがうかがえます。

こうした経済環境の中で、各年代の貯蓄状況はどのように変化しているのでしょうか。本記事では、20歳代から70歳代までの貯蓄の平均額について、金融経済教育推進機構の調査をもとに見ていきます。

1. 【20歳代~70歳代】平均貯蓄額・中央値は?

J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」のデータをもとに、20歳代から70歳代の二人以上世帯の金融資産保有額を見ていきましょう。

今回の資料における金融資産は、預貯金や生命保険、株式、投資信託などの金融商品を指します。

日常的な出し入れや引き落としに備えている部分は含みません。

1.1 【20歳代】二人以上世帯の貯蓄額

20歳代・二人以上世帯の金融資産保有額

20歳代・二人以上世帯の金融資産保有額

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにLIMO編集部作成

  • 100万円未満:30.3%
  • 100~200万円未満:14.4%
  • 200~300万円未満:6.8%
  • 300~400万円未満:5.3%
  • 400~500万円未満:8.3%
  • 500~700万円未満:7.6%
  • 700~1000万円未満:5.3%
  • 1000~1500万円未満:7.6%
  • 1500~2000万円未満:0.8%
  • 2000~3000万円未満:0.0%
  • 3000万円以上:3.0%
  • 無回答:10.6%
     
  • 平均:508万円
  • 中央値:185万円

20歳代の二人以上世帯の金融資産保有額は100万円未満が30.3%と最も多く、中央値は185万円にとどまっています。

一方で平均は508万円と中央値をおおきく上回っています。

1.2 【30歳代】二人以上世帯の貯蓄額

30歳代・二人以上世帯の金融資産保有額

30歳代・二人以上世帯の金融資産保有額

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにLIMO編集部作成

  • 100万円未満:17.4%
  • 100~200万円未満:14.9%
  • 200~300万円未満:10.0%
  • 300~400万円未満:6.5%
  • 400~500万円未満:4.1%
  • 500~700万円未満:8.2%
  • 700~1000万円未満:9.6%
  • 1000~1500万円未満:10.4%
  • 1500~2000万円未満:4.7%
  • 2000~3000万円未満:5.5%
  • 3000万円以上:3.7%
  • 無回答:4.9%
     
  • 平均:909万円
  • 中央値:360万円

30歳代二人以上世帯では、中央値は360万円と、20歳代の約2倍に増え、資産形成が進み始める時期であることがうかがえます。

さらに、1000万円以上の世帯割合が増加しています。